顔バレしました
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清田くんと付き合いはじめて分かったことがある。自分を好きな人がそばに居るのは幸せだってこと。私は人に比べて手のひらがかなり冷たいってこと。あとは、男の子ってすぐに寝ちゃうってこと。
あまりに寝つきがいいから心配になるくらいだ。
「……」
わたしは、暗がりの中でごそごそと布団の中を探って自分のTシャツを見つけ出すと、素肌の上にそれを着る。オーバーサイズのそれは、少し短いけれどお尻の辺りまで隠れる。
隣ですやすやと眠る清田くんが可愛くて、少し笑いながら彼の髪を撫でた。
あとはそうだな。
中途半端に引き摺っている相手がいると、彼氏との行為の時もその人のことが頭の中をチラついてくるということだ。
(わたし、最悪)
清田くんと何度かした。
抱きしめられる度に浮かんでくるのは、あの夜のキヨくんのことばかりだった。必死に追い払おうとしても、簡単に出ていってはくれなかった。
わたしは息をつくと、ベッドからこっそり抜け出して、彼のアパートの部屋のベランダに出る。
「……狡いよなぁ」
LINEを開くと、キヨくんとの会話はあの日の「忘れて、ほんとにすみませんでした」で終わっている。なんと返したらいいのかわからなかったから。
忘れさせてくれないのはそっちじゃん。
「……え」
急に来た着信に、ドキッとする。
表示されているのはレトさんの名前だった。どうしたんだろうか、こんな遅くに。そう思いながら通話に出ると、「よぉ」と愛想のない声。
「どうしたの?急に」
『いや、最近誘っても来ないから、どうしてんのかなーと思ってさ』
「……今彼氏の家」
『え……』
わたしの意地悪な言葉に、レトさんは「な、なんでお前彼氏といるのに俺の電話取るんだよ!出るなよ!」と焦っている。ほんとに、普通に最低だと思う自分でも。
でも、レトさんの声が久しぶりに聞きたかったんだ。あの夜を最後にもう数週間経っている。
「いいんだ、寝ちゃったし」
『あ〜、コトを終えると寝ちゃう系なんだ』
「寝ちゃわない系もいるの?」
『俺は寝ちゃわない系だよ』
「……あんまり知りたくなかった」
わたしの返事に、レトさんはケタケタ笑う。
「……ねえレトさん」
『ん?』
「……付き合ってない相手を抱きしめるのって、それってどういう意味なんだろう」
『……』
暫くの沈黙。まんまるの月をみあげながら返事を待つ。レトさんは暫く考え込むと「本人に聞きな」と呆れたような感じで笑った。
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清田くんと付き合いはじめて分かったことがある。自分を好きな人がそばに居るのは幸せだってこと。私は人に比べて手のひらがかなり冷たいってこと。あとは、男の子ってすぐに寝ちゃうってこと。
あまりに寝つきがいいから心配になるくらいだ。
「……」
わたしは、暗がりの中でごそごそと布団の中を探って自分のTシャツを見つけ出すと、素肌の上にそれを着る。オーバーサイズのそれは、少し短いけれどお尻の辺りまで隠れる。
隣ですやすやと眠る清田くんが可愛くて、少し笑いながら彼の髪を撫でた。
あとはそうだな。
中途半端に引き摺っている相手がいると、彼氏との行為の時もその人のことが頭の中をチラついてくるということだ。
(わたし、最悪)
清田くんと何度かした。
抱きしめられる度に浮かんでくるのは、あの夜のキヨくんのことばかりだった。必死に追い払おうとしても、簡単に出ていってはくれなかった。
わたしは息をつくと、ベッドからこっそり抜け出して、彼のアパートの部屋のベランダに出る。
「……狡いよなぁ」
LINEを開くと、キヨくんとの会話はあの日の「忘れて、ほんとにすみませんでした」で終わっている。なんと返したらいいのかわからなかったから。
忘れさせてくれないのはそっちじゃん。
「……え」
急に来た着信に、ドキッとする。
表示されているのはレトさんの名前だった。どうしたんだろうか、こんな遅くに。そう思いながら通話に出ると、「よぉ」と愛想のない声。
「どうしたの?急に」
『いや、最近誘っても来ないから、どうしてんのかなーと思ってさ』
「……今彼氏の家」
『え……』
わたしの意地悪な言葉に、レトさんは「な、なんでお前彼氏といるのに俺の電話取るんだよ!出るなよ!」と焦っている。ほんとに、普通に最低だと思う自分でも。
でも、レトさんの声が久しぶりに聞きたかったんだ。あの夜を最後にもう数週間経っている。
「いいんだ、寝ちゃったし」
『あ〜、コトを終えると寝ちゃう系なんだ』
「寝ちゃわない系もいるの?」
『俺は寝ちゃわない系だよ』
「……あんまり知りたくなかった」
わたしの返事に、レトさんはケタケタ笑う。
「……ねえレトさん」
『ん?』
「……付き合ってない相手を抱きしめるのって、それってどういう意味なんだろう」
『……』
暫くの沈黙。まんまるの月をみあげながら返事を待つ。レトさんは暫く考え込むと「本人に聞きな」と呆れたような感じで笑った。
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