出番待ちの紙袋
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kiyo
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「いや、それで連れてきた男がね、ほんとにいいやつだったんだよ。あ、ギターやるらしいからフジ、気が合うかも」
「まじ?!今度会わせてもらおう」
「そんでさ、名前が清田拓真!!」
何がそんなにおかしいのか言いながら爆笑しているこーすけを見つつ、綾鷹を一口。
趣味がギターと聞いた途端にフジもご機嫌だし、ヒラも俺と名前が似てることに愉快そうに笑っている。
食えない反応は俺だけ。3人が俺をじっと見つめたと思えば、こーすけがまた『この前ちかちゃんの大学の男友達が家に来た話』を再開する。
「俺の配信環境如きで感動してて」
「へぇ」
「っつーかこーすけ邪魔だったんじゃないの」
ヒラの一言に場が凍る。
ヒラは「だって家に呼ぶとかこれまでのちかちゃんだったら想像つかないことやってる時点で好きじゃん」とぶっ飛んでるような頷けるようなよくわからない理論を展開する。
こーすけと目が合う。なんだ。
「いや、俺がいる前提で連れてきたみたいよ」
「あ、そーなんだ。じゃあ違うか」
「まあ、あっちのキヨなら大歓迎って感じだけどな兄として」
「どっちのキヨだよ」
つっこんでやると嬉しそうにしていた。
ちかちゃんに男の友達ができたということは、前にフジから聞いて知っていたけど、そこまで仲良くなっているとは知らなかった。
「ただいまー」とちかちゃんの声が玄関の方からして、「おかえりー」と4人で答える。
「あ、来てたんだみんな」
「お邪魔してます」
「いえいえごゆっくり」
えらくご機嫌だ。ちかちゃんは、「お兄ちゃん」とカバンを置いてすぐこーすけの隣に座った。
俺は、今日渡せたら渡そうかと持ってきた入学祝いの入った紙袋をそっとちかちゃんの死角に隠した。
「わたし、バイト始めようかと思って」
「え?」
「バイトぉ?できるの?」
「できるわ!ヒラくんにもできるんだから!」
ヒラに対して噛み付くように言うと、こーすけは「大学と実況と両立できんの?」と眉を顰めた。
「できる!清田くんの紹介でね、シフト少なくてもいいみたいで」
「清田くんって例のオトモダチ?」
フジの問いかけにちかちゃんは嬉しそうに頷いた。こんな楽しそうな顔で男の話をしているの、今までうっしーくらいしか見たことがない。
俺は漠然とモヤつきながら、「お前の出番は今日はない」と入学祝いの紙袋に心の中で告げた。
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「いや、それで連れてきた男がね、ほんとにいいやつだったんだよ。あ、ギターやるらしいからフジ、気が合うかも」
「まじ?!今度会わせてもらおう」
「そんでさ、名前が清田拓真!!」
何がそんなにおかしいのか言いながら爆笑しているこーすけを見つつ、綾鷹を一口。
趣味がギターと聞いた途端にフジもご機嫌だし、ヒラも俺と名前が似てることに愉快そうに笑っている。
食えない反応は俺だけ。3人が俺をじっと見つめたと思えば、こーすけがまた『この前ちかちゃんの大学の男友達が家に来た話』を再開する。
「俺の配信環境如きで感動してて」
「へぇ」
「っつーかこーすけ邪魔だったんじゃないの」
ヒラの一言に場が凍る。
ヒラは「だって家に呼ぶとかこれまでのちかちゃんだったら想像つかないことやってる時点で好きじゃん」とぶっ飛んでるような頷けるようなよくわからない理論を展開する。
こーすけと目が合う。なんだ。
「いや、俺がいる前提で連れてきたみたいよ」
「あ、そーなんだ。じゃあ違うか」
「まあ、あっちのキヨなら大歓迎って感じだけどな兄として」
「どっちのキヨだよ」
つっこんでやると嬉しそうにしていた。
ちかちゃんに男の友達ができたということは、前にフジから聞いて知っていたけど、そこまで仲良くなっているとは知らなかった。
「ただいまー」とちかちゃんの声が玄関の方からして、「おかえりー」と4人で答える。
「あ、来てたんだみんな」
「お邪魔してます」
「いえいえごゆっくり」
えらくご機嫌だ。ちかちゃんは、「お兄ちゃん」とカバンを置いてすぐこーすけの隣に座った。
俺は、今日渡せたら渡そうかと持ってきた入学祝いの入った紙袋をそっとちかちゃんの死角に隠した。
「わたし、バイト始めようかと思って」
「え?」
「バイトぉ?できるの?」
「できるわ!ヒラくんにもできるんだから!」
ヒラに対して噛み付くように言うと、こーすけは「大学と実況と両立できんの?」と眉を顰めた。
「できる!清田くんの紹介でね、シフト少なくてもいいみたいで」
「清田くんって例のオトモダチ?」
フジの問いかけにちかちゃんは嬉しそうに頷いた。こんな楽しそうな顔で男の話をしているの、今までうっしーくらいしか見たことがない。
俺は漠然とモヤつきながら、「お前の出番は今日はない」と入学祝いの紙袋に心の中で告げた。
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