出番待ちの紙袋
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kiyo
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最俺でのニコ生公式放送出演後、こーすけが「俺の部屋で飯食おうぜ」と誘ってきた。お前の部屋じゃなくてちかちゃんの部屋だろ。
ヒラとフジが賛成する。俺一人だけ反対という訳にもいかず、一抹の気まずさを感じながらこーすけの家に向かった。
ちかちゃんとは、あの夜から微妙に気まずく、連絡を取る回数も減り、会うのもあの夜以来だった。あの夜は結局、誘われた飲みにも行かず、ちかちゃんを追いかけることもせず、そのままビジホに向かった。
「ちかちゃんいる?」
「おー、多分。まあお前らなら突然来てもいいだろ」
「じゃあ俺スイーツ買って行ってあげよ」
コンビニに寄ってお酒とつまみを買い出していると、フジが尋ねてプリンをカゴに入れた。
俺が無言でいちご大福をカゴに放り込むと、フジは「あらあらあら?」と楽しそうな声を上げ始める。面倒臭い。こいつは心底面倒臭い。
「キヨさん?ちかちゃんへの何アピールですか?これは」
「お前も買ってんだろうるせえな」
「俺は入学祝い」
「しょっぼ!」
そうか、入学祝い。
俺は暫く考え込むと、「やっぱ俺パス」と3人に向かって言った。きょとんと俺を見つめ返すけど、俺の気まぐれな行動は今に始まったことでは無いので普通に見送ってくれた。
東京はすごい。北海道にいた頃は札幌まで行ってあるかないかだったブランド店がガラス張りのショーウィンドウで立ち並んでいる。
入ったことも無い店の威圧感にぽけーっと見上げながら、ちかちゃんを思い浮かべる。
大学の合格が決まって東京に出てくる前に、ちかちゃんは胸の辺りまであった髪をばっさりと切って、髪の毛も少し明るい茶色に染めた。あどけない高校生という印象だった彼女も、そのイメチェンで見違えるくらい大人っぽくなって、その髪型は彼女の朗らかな雰囲気によく似合っていた。
照れたように笑いながら俺の前に現れた時は正直どこの新人女優さんですかという気持ちになった。
俺は、ちかちゃんを思い浮かべながら1つのブランドの看板に視線を合わせると、らしくもなくドキドキしながら店舗に入った。
「なにかお探しですか?」
入った途端に狙っていましたとばかりに話しかけてきたお姉さんに、消えそうな声で「……プレゼントを」と答える。
「彼女さんですか?」
「……」
にこやかな店員さんに俺は思わず一時停止すると、「友達の、妹です」と丁寧に断りを入れた。
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最俺でのニコ生公式放送出演後、こーすけが「俺の部屋で飯食おうぜ」と誘ってきた。お前の部屋じゃなくてちかちゃんの部屋だろ。
ヒラとフジが賛成する。俺一人だけ反対という訳にもいかず、一抹の気まずさを感じながらこーすけの家に向かった。
ちかちゃんとは、あの夜から微妙に気まずく、連絡を取る回数も減り、会うのもあの夜以来だった。あの夜は結局、誘われた飲みにも行かず、ちかちゃんを追いかけることもせず、そのままビジホに向かった。
「ちかちゃんいる?」
「おー、多分。まあお前らなら突然来てもいいだろ」
「じゃあ俺スイーツ買って行ってあげよ」
コンビニに寄ってお酒とつまみを買い出していると、フジが尋ねてプリンをカゴに入れた。
俺が無言でいちご大福をカゴに放り込むと、フジは「あらあらあら?」と楽しそうな声を上げ始める。面倒臭い。こいつは心底面倒臭い。
「キヨさん?ちかちゃんへの何アピールですか?これは」
「お前も買ってんだろうるせえな」
「俺は入学祝い」
「しょっぼ!」
そうか、入学祝い。
俺は暫く考え込むと、「やっぱ俺パス」と3人に向かって言った。きょとんと俺を見つめ返すけど、俺の気まぐれな行動は今に始まったことでは無いので普通に見送ってくれた。
東京はすごい。北海道にいた頃は札幌まで行ってあるかないかだったブランド店がガラス張りのショーウィンドウで立ち並んでいる。
入ったことも無い店の威圧感にぽけーっと見上げながら、ちかちゃんを思い浮かべる。
大学の合格が決まって東京に出てくる前に、ちかちゃんは胸の辺りまであった髪をばっさりと切って、髪の毛も少し明るい茶色に染めた。あどけない高校生という印象だった彼女も、そのイメチェンで見違えるくらい大人っぽくなって、その髪型は彼女の朗らかな雰囲気によく似合っていた。
照れたように笑いながら俺の前に現れた時は正直どこの新人女優さんですかという気持ちになった。
俺は、ちかちゃんを思い浮かべながら1つのブランドの看板に視線を合わせると、らしくもなくドキドキしながら店舗に入った。
「なにかお探しですか?」
入った途端に狙っていましたとばかりに話しかけてきたお姉さんに、消えそうな声で「……プレゼントを」と答える。
「彼女さんですか?」
「……」
にこやかな店員さんに俺は思わず一時停止すると、「友達の、妹です」と丁寧に断りを入れた。
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