東京で共同生活
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東京、深夜のコンビニエンスストアにお風呂上がりに好きな人とふたりで行く、だなんて、恋愛ドラマにありそうなシチュエーション。
勿論手なんて繋がないけど、その特別感にわたしの足取りは軽い。
「キヨくん何買う?」
「んーハーゲンダッツかなー」
「……」
「うそうそ、ガリガリ君でいいよ」
言葉を詰まらせるわたしに、キヨくんはケラケラ笑う。彼の笑顔が、夜なのに明るいこの街の街灯に照らされて眩しかった。
好きだなぁ。やっぱり。
キヨくんと一緒にいると、体が軽くなって、心臓がきゅうきゅうと動く。彼がついているなら、なんでも出来そうな気がしてくる。
「あれっ?キヨ!?」
「……ん?」
コンビニについて、自動ドアをくぐりぬけようとしたとき、名前を呼ばれたキヨくんが足を止める。振り返れば、東京で飲み会をした時にキヨくんの隣にいた綺麗な踊り手のお姉さんだった。
「上京したって聞いてたけど、えっ!家このあたり?」
「あ、うん。久しぶり」
「久しぶり!上京おめでとう!私もこのへんなんだよ〜」
あのあと、嫌だったけど調べたこの人のこと。キヨくんとはずっと前からTwitterでも相互フォローの仲。ネットのくだらない憶測だけど、2人は付き合っているんじゃないかって書かれてる記事が沢山あった。
2人はわたしの目にも仲良さそうに見えたし、圧倒的にお似合いに見えた。
「あれ……」
「……ぁ」
「こーすけの妹ちゃん」
「……こ、こんばんは」
キヨくんの影に隠れていたわたしを見つけて、顔をのぞき込まれた。慌ててお辞儀をすると、わたしには全く興味ないと言った感じで「ねえキヨ」とキヨくんの方を見上げはじめた。
今回はお酒なんて飲んでいないのに、2人を見ていると、しんどい。
「わたし、今から飲みに行くんだけど、一緒に行かない?ニコニコの子達も来るよ」
「えー……これから?」
「キヨが来たらみんな喜ぶと思うな」
キヨくんがちらっと隣のわたしを見下ろす。その視線の先を辿ったのか、彼女もわたしを見た。
「……わ、わたし、1人で帰れるし、行ってきなよ、ね」
「いや、ちかちゃん」
「いいってば!」
邪魔をしたくない。お荷物になりたくない。
それよりも、なによりも、この場から今すぐ逃げ出したい。
語気を強めてしまった自分にハッとして、キヨくんを無理矢理彼女の方に押すと、「ありがとう、今日は」と無理矢理笑ってキヨくんの家の方に踵を返した。
上手く、笑えていただろうか。
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東京、深夜のコンビニエンスストアにお風呂上がりに好きな人とふたりで行く、だなんて、恋愛ドラマにありそうなシチュエーション。
勿論手なんて繋がないけど、その特別感にわたしの足取りは軽い。
「キヨくん何買う?」
「んーハーゲンダッツかなー」
「……」
「うそうそ、ガリガリ君でいいよ」
言葉を詰まらせるわたしに、キヨくんはケラケラ笑う。彼の笑顔が、夜なのに明るいこの街の街灯に照らされて眩しかった。
好きだなぁ。やっぱり。
キヨくんと一緒にいると、体が軽くなって、心臓がきゅうきゅうと動く。彼がついているなら、なんでも出来そうな気がしてくる。
「あれっ?キヨ!?」
「……ん?」
コンビニについて、自動ドアをくぐりぬけようとしたとき、名前を呼ばれたキヨくんが足を止める。振り返れば、東京で飲み会をした時にキヨくんの隣にいた綺麗な踊り手のお姉さんだった。
「上京したって聞いてたけど、えっ!家このあたり?」
「あ、うん。久しぶり」
「久しぶり!上京おめでとう!私もこのへんなんだよ〜」
あのあと、嫌だったけど調べたこの人のこと。キヨくんとはずっと前からTwitterでも相互フォローの仲。ネットのくだらない憶測だけど、2人は付き合っているんじゃないかって書かれてる記事が沢山あった。
2人はわたしの目にも仲良さそうに見えたし、圧倒的にお似合いに見えた。
「あれ……」
「……ぁ」
「こーすけの妹ちゃん」
「……こ、こんばんは」
キヨくんの影に隠れていたわたしを見つけて、顔をのぞき込まれた。慌ててお辞儀をすると、わたしには全く興味ないと言った感じで「ねえキヨ」とキヨくんの方を見上げはじめた。
今回はお酒なんて飲んでいないのに、2人を見ていると、しんどい。
「わたし、今から飲みに行くんだけど、一緒に行かない?ニコニコの子達も来るよ」
「えー……これから?」
「キヨが来たらみんな喜ぶと思うな」
キヨくんがちらっと隣のわたしを見下ろす。その視線の先を辿ったのか、彼女もわたしを見た。
「……わ、わたし、1人で帰れるし、行ってきなよ、ね」
「いや、ちかちゃん」
「いいってば!」
邪魔をしたくない。お荷物になりたくない。
それよりも、なによりも、この場から今すぐ逃げ出したい。
語気を強めてしまった自分にハッとして、キヨくんを無理矢理彼女の方に押すと、「ありがとう、今日は」と無理矢理笑ってキヨくんの家の方に踵を返した。
上手く、笑えていただろうか。
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