東京で共同生活
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「み、見るよ?」
「おう……」
「あぁもう一思いにやって!!」
リビングにパソコンを置き、前田家総出で画面を見つめる。東京にある国立の大学前期試験結果発表。
キヨくん達が都内に出ることを聞き、真剣に進路について考え始めたわたしは、都内にある大学を受けることに決めた。元々北海道にあるそこそこ偏差値の高い大学を目指して勉強していたから、ほんの少しハードルが上がっただけだったけれど、わたしが勉強したいことが学べる環境だったことから東京の大学を選んだのだ。
そして、今日、合格発表の日。
わたしは、手汗をかきながら受験票の番号をもう一度見る。画面に映し出された番号からそれを探す。
「……あった」
「えっ」
何度か画面と受験票を照らし合わせて、泣きそうな声を上げるわたしに、家族みんな大騒ぎだ。
お父さんなんかは涙を浮かべるほど。お母さんも感極まっている。
「行こう!」
「へっ?」
「キヨたちに報告しに行こう!」
お兄ちゃんはわたしの腕を掴むと、「晩飯までには戻るから!」と家を飛び出して車に飛び乗った。
まだ心臓がドキドキしている。この1年、頑張って勉強してきた成果だ。合格圏内だったとはいえ、最後まで落ち着かなかった。わたしはふーっと長く息を吐くとぐずっと涙を拭う。
そんな助手席のわたしを見て、お兄ちゃんは「よく頑張ったな」とわたしの頭をガシガシ乱暴に撫でた。
「帰る時呼べよ!」
「え、お兄ちゃんはキヨくんに会わないの」
「おじゃまかなぁと思いまして。水入らずで話してこいよ」
キヨくんの家の前でわたしを下ろしたお兄ちゃんは、カッコつけながら車を発進させた。
わたしが恐る恐るキヨくんの家のインターフォンを押すと、間髪入れずキヨくんのお母さんが出てきてわたしの肩をガシッと掴む。
「ちかちゃん!どうだった!?」
「……え、あ、受かりました……」
「おめでとぉー!!!」
キヨくんのお母さんはわたしを思いっきり抱きしめる。
わたしが「ありがとうございます……」と言いながら困っていると、キヨくんが玄関まで出てきてその光景を見て唖然としている。
「受かった」
「……ですよね~」
キヨくんのお母さんに抱きしめられたまま告げると、キヨくんは「そりゃそうだ、うん」と満足気に頷いている。
キヨくんのお母さんは、わたしからばっと体を離すと、「あんた今朝からずっとソワソワしてたくせによく言うわね!」とキヨくんの頭をはたいた。
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「み、見るよ?」
「おう……」
「あぁもう一思いにやって!!」
リビングにパソコンを置き、前田家総出で画面を見つめる。東京にある国立の大学前期試験結果発表。
キヨくん達が都内に出ることを聞き、真剣に進路について考え始めたわたしは、都内にある大学を受けることに決めた。元々北海道にあるそこそこ偏差値の高い大学を目指して勉強していたから、ほんの少しハードルが上がっただけだったけれど、わたしが勉強したいことが学べる環境だったことから東京の大学を選んだのだ。
そして、今日、合格発表の日。
わたしは、手汗をかきながら受験票の番号をもう一度見る。画面に映し出された番号からそれを探す。
「……あった」
「えっ」
何度か画面と受験票を照らし合わせて、泣きそうな声を上げるわたしに、家族みんな大騒ぎだ。
お父さんなんかは涙を浮かべるほど。お母さんも感極まっている。
「行こう!」
「へっ?」
「キヨたちに報告しに行こう!」
お兄ちゃんはわたしの腕を掴むと、「晩飯までには戻るから!」と家を飛び出して車に飛び乗った。
まだ心臓がドキドキしている。この1年、頑張って勉強してきた成果だ。合格圏内だったとはいえ、最後まで落ち着かなかった。わたしはふーっと長く息を吐くとぐずっと涙を拭う。
そんな助手席のわたしを見て、お兄ちゃんは「よく頑張ったな」とわたしの頭をガシガシ乱暴に撫でた。
「帰る時呼べよ!」
「え、お兄ちゃんはキヨくんに会わないの」
「おじゃまかなぁと思いまして。水入らずで話してこいよ」
キヨくんの家の前でわたしを下ろしたお兄ちゃんは、カッコつけながら車を発進させた。
わたしが恐る恐るキヨくんの家のインターフォンを押すと、間髪入れずキヨくんのお母さんが出てきてわたしの肩をガシッと掴む。
「ちかちゃん!どうだった!?」
「……え、あ、受かりました……」
「おめでとぉー!!!」
キヨくんのお母さんはわたしを思いっきり抱きしめる。
わたしが「ありがとうございます……」と言いながら困っていると、キヨくんが玄関まで出てきてその光景を見て唖然としている。
「受かった」
「……ですよね~」
キヨくんのお母さんに抱きしめられたまま告げると、キヨくんは「そりゃそうだ、うん」と満足気に頷いている。
キヨくんのお母さんは、わたしからばっと体を離すと、「あんた今朝からずっとソワソワしてたくせによく言うわね!」とキヨくんの頭をはたいた。
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