兄が話す妹の話
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kiyo
.
「楽しかったー」
にこにこしているちかちゃんを見て可愛くて思わずにやける。ゲームセンターを出てカラオケに行くと、最近俺がハマってるアイドルの曲をちかちゃんが歌い、俺がコールをするというカオスの空間。
ちかちゃんは一通り歌って満足したのかカルピスを飲んでいる。
「キヨくん、ありがとね」
「なにが?」
「いや、全部奢ってもらっちゃってるし」
「まあ俺の方が稼いでるからねえ」
俺の言葉にちかちゃんは「うざーい」と言いながら笑った。学校生活では、この笑顔を封印して作り笑いを貼り付けているのかと想像すると苦しい。
「ちかちゃんの稼いだお金は、友達ができた時に遊ぶのに使いな」
「……」
「別に無理して作んなくてもいいけど、自分から遠ざける必要ねーと思うよ、俺は」
俺の言葉に、ちかちゃんの顔からは笑顔が消え、不安そうな顔になった。「こーすけから聞いた」と続ける。
ちかちゃんだって、こんな風に周りの友達と遊びたいはずだ。放課後に遊ぶ高校生たちを、自分とは違うと線引きして遠ざけて、そんな苦しい思いをして欲しくないと思った。
「……また、何か言われるんじゃないかって、怖い」
「うん」
「……わたしがそばにいるせいで、傷つく人がいるのも嫌」
「うん」
ソファの上で靴を脱いで体育座りになって縮こまる。か細い声で本音を吐露するちかちゃんに、頷きながら聞いていると、「聞いてる?」と潤んだ目で睨まれた。
「……聞いてる」
「……じゃあ何とか言ってよぉ」
「……んー、俺は、あんまりそういう女子の気持ちとかわかんないけどさ」
「ちかちゃんが思ってるよりずっと周りの人間ってなんにも考えてないと思うよ」と言ってのけるけど、ちかちゃんは顔を膝に填めて黙っている。
「外見は中身の1番外側だからさ、そりゃはじめは見た目で色々言われるけど、ちかちゃんの中身まで見せてみた?」
「……」
「ちかちゃんの中見知って嫌われることなんてないと思うけどな」
潤んだ目がまたこちらをむく。かわいい。
「ちかちゃんがゲーム好きで、UFOキャッチャーが得意で、歌が微妙に下手で、俺たちとゲーム実況してるの知ってる子、いる?」という俺の言葉に小さく首を振る。
「出して見なきゃ好きにも嫌いにもなれねえじゃん」
「……」
「嫌われたんならそのときは、俺たちのところに帰ってくればいいよ」
「な?」と声をかけるとちかちゃんは顔を埋めたまま頷いた。
.
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「楽しかったー」
にこにこしているちかちゃんを見て可愛くて思わずにやける。ゲームセンターを出てカラオケに行くと、最近俺がハマってるアイドルの曲をちかちゃんが歌い、俺がコールをするというカオスの空間。
ちかちゃんは一通り歌って満足したのかカルピスを飲んでいる。
「キヨくん、ありがとね」
「なにが?」
「いや、全部奢ってもらっちゃってるし」
「まあ俺の方が稼いでるからねえ」
俺の言葉にちかちゃんは「うざーい」と言いながら笑った。学校生活では、この笑顔を封印して作り笑いを貼り付けているのかと想像すると苦しい。
「ちかちゃんの稼いだお金は、友達ができた時に遊ぶのに使いな」
「……」
「別に無理して作んなくてもいいけど、自分から遠ざける必要ねーと思うよ、俺は」
俺の言葉に、ちかちゃんの顔からは笑顔が消え、不安そうな顔になった。「こーすけから聞いた」と続ける。
ちかちゃんだって、こんな風に周りの友達と遊びたいはずだ。放課後に遊ぶ高校生たちを、自分とは違うと線引きして遠ざけて、そんな苦しい思いをして欲しくないと思った。
「……また、何か言われるんじゃないかって、怖い」
「うん」
「……わたしがそばにいるせいで、傷つく人がいるのも嫌」
「うん」
ソファの上で靴を脱いで体育座りになって縮こまる。か細い声で本音を吐露するちかちゃんに、頷きながら聞いていると、「聞いてる?」と潤んだ目で睨まれた。
「……聞いてる」
「……じゃあ何とか言ってよぉ」
「……んー、俺は、あんまりそういう女子の気持ちとかわかんないけどさ」
「ちかちゃんが思ってるよりずっと周りの人間ってなんにも考えてないと思うよ」と言ってのけるけど、ちかちゃんは顔を膝に填めて黙っている。
「外見は中身の1番外側だからさ、そりゃはじめは見た目で色々言われるけど、ちかちゃんの中身まで見せてみた?」
「……」
「ちかちゃんの中見知って嫌われることなんてないと思うけどな」
潤んだ目がまたこちらをむく。かわいい。
「ちかちゃんがゲーム好きで、UFOキャッチャーが得意で、歌が微妙に下手で、俺たちとゲーム実況してるの知ってる子、いる?」という俺の言葉に小さく首を振る。
「出して見なきゃ好きにも嫌いにもなれねえじゃん」
「……」
「嫌われたんならそのときは、俺たちのところに帰ってくればいいよ」
「な?」と声をかけるとちかちゃんは顔を埋めたまま頷いた。
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