兄が話す妹の話
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私服に着替えてキヨくんの隣を歩く。わたしより20cm近く背の高い彼は、すらっとしていてスタイルがいい。オシャレだし、さぞかしモテるんだろうなぁとか考えて自分で少ししんどくなった。
「キヨくん」
「ん?」
呼びかけると、少し口角を上げて私の方を見下ろした。
1度意識してしまうと、なんでもかっこよく見えてしまう。恋は盲目とはよく言ったものだ。
「どこにいくの?」
「カラオケ、ゲーセン、スポッチャ……あとはー……サイゼリヤ?」
「……何そのコース」
「たまにはいいしょ。俺だって高校生の時みたいに遊びてえの」と呆然とするわたしに言う。何度か行ったことあるけれど、どうしても息苦しく感じてしまった高校生定番の放課後コースの数々。
キヨくんはわたしのその不安を知ってか知らずか、「俺と一緒なんだし、楽しくないわけないしょ?」といつもの調子で言ってのけた。
「……なにそれ」
キヨくんは、小さく笑った私に満足気な顔をすると、ゲームセンターの自動ドアを私より先にくぐりぬけていった。
慌ててついて行くと、1000円札を両替して100円玉を5枚私に渡した。
「よし、どれやる」
「カービィ欲しい……」
「任せろ」
UFOキャッチャーを指さす私に、キヨくんは意気揚々と挑みに行く。「俺が今天国に送ってやるからな」と意味のわからないことを言っているキヨくんのプレイを笑いながらみているけど、全く取れる気配がない。
「キヨくん、変わって」
「え?」
わたしは1枚100円玉を入れる。お兄ちゃんにどれだけ鍛えられてきたと思っているのか。わたしはキヨくんの視線を感じつつアームを調整する。
「……」
「あー!」
わたしが調整している途中でキヨくんがアームを下ろすボタンを押してきて、的はずれなところにアームが降りた。
絶叫するわたしをケラケラ笑ってキヨくんが楽しそうに見ている。わたしも「もー!やめてよ!」と言いながら笑った。
「ちかちゃん、こういうのはね、男にやらせんの普通」
「えぇ……」
邪魔をしておいてなんなのか。
キヨくんは楽しそうに2回目の挑戦。確率機だったらしいそれは、今度はカービィをがっちり掴んで離さない。
「よっしゃー!」
「わたしがやっても取れてたよこれー」
「あ、そんなこと言うならこれは俺が貰う」
「嘘嘘嘘嘘ごめんなさい」
慌ててキヨくんの腕を掴んで謝るけど、キヨくんは小脇にカービィを抱えて次のゲームに進んでいっている。
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私服に着替えてキヨくんの隣を歩く。わたしより20cm近く背の高い彼は、すらっとしていてスタイルがいい。オシャレだし、さぞかしモテるんだろうなぁとか考えて自分で少ししんどくなった。
「キヨくん」
「ん?」
呼びかけると、少し口角を上げて私の方を見下ろした。
1度意識してしまうと、なんでもかっこよく見えてしまう。恋は盲目とはよく言ったものだ。
「どこにいくの?」
「カラオケ、ゲーセン、スポッチャ……あとはー……サイゼリヤ?」
「……何そのコース」
「たまにはいいしょ。俺だって高校生の時みたいに遊びてえの」と呆然とするわたしに言う。何度か行ったことあるけれど、どうしても息苦しく感じてしまった高校生定番の放課後コースの数々。
キヨくんはわたしのその不安を知ってか知らずか、「俺と一緒なんだし、楽しくないわけないしょ?」といつもの調子で言ってのけた。
「……なにそれ」
キヨくんは、小さく笑った私に満足気な顔をすると、ゲームセンターの自動ドアを私より先にくぐりぬけていった。
慌ててついて行くと、1000円札を両替して100円玉を5枚私に渡した。
「よし、どれやる」
「カービィ欲しい……」
「任せろ」
UFOキャッチャーを指さす私に、キヨくんは意気揚々と挑みに行く。「俺が今天国に送ってやるからな」と意味のわからないことを言っているキヨくんのプレイを笑いながらみているけど、全く取れる気配がない。
「キヨくん、変わって」
「え?」
わたしは1枚100円玉を入れる。お兄ちゃんにどれだけ鍛えられてきたと思っているのか。わたしはキヨくんの視線を感じつつアームを調整する。
「……」
「あー!」
わたしが調整している途中でキヨくんがアームを下ろすボタンを押してきて、的はずれなところにアームが降りた。
絶叫するわたしをケラケラ笑ってキヨくんが楽しそうに見ている。わたしも「もー!やめてよ!」と言いながら笑った。
「ちかちゃん、こういうのはね、男にやらせんの普通」
「えぇ……」
邪魔をしておいてなんなのか。
キヨくんは楽しそうに2回目の挑戦。確率機だったらしいそれは、今度はカービィをがっちり掴んで離さない。
「よっしゃー!」
「わたしがやっても取れてたよこれー」
「あ、そんなこと言うならこれは俺が貰う」
「嘘嘘嘘嘘ごめんなさい」
慌ててキヨくんの腕を掴んで謝るけど、キヨくんは小脇にカービィを抱えて次のゲームに進んでいっている。
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