兄が話す妹の話
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帰宅後、自室にこもってパソコンの画面を眺める。
ヒラくんに言われたこと、ごもっともなのだ。小さい頃から顔のこととか男の子絡みのことで何度も揉めてきた。わたしの隣にいると傷ついてしまうから離れていってしまった子もいた。
そんな過去が、今周りの子をテリトリーに入れないわたしを完成させてしまっている。別に、今周りにいる子に何をされたわけでもないのに。
だから、わたしのことを特別扱いしないキヨくん達といる世界は心地よくて、こうしてコメントしてくれてる人たちもわたしのことを何の先入観もなく見て楽しんでくれている。
それだけで十分すぎるはずなのに、やっぱり学校にいると息苦しい。それをヒラくんに指摘されてとても落ち込んでしまった。
しかも、キヨくんが就職を考えているというから、あぁ、私の居場所はまたこうして消えていくんだと思ってしまった。
「……」
机の上に置いていた携帯のバイブ音がなりそれを見ると、ヒラくんから「ごめん、俺の言ったこと気にすんなよ」とらしくないメールが入っていた。
「気にしてないよ、大丈夫。わたしもごめん」と返信すると、パソコンを閉じて部屋から出た。
「あ」
「あ」
出た瞬間に、トイレからお兄ちゃんの部屋に戻ってくる途中だったらしいキヨくんと鉢合わせた。ぱちっと目が合うと、思わずそらして足元を見てしまった。
「俺のこと好きなんじゃねえの」と言われて自分の気持ちに予感を感じたあの日から、妙にキヨくんと気まずい。
「ちかちゃん、今、ひま?」
「へ?」
「もう動画撮り終わったし、俺とどっか行かない?」
「……」
キヨくんと2人で出かけるなんて、初めてのことかもしれない。こくんと頷く私に、「オッケー、待ってて」と小さく笑ってお兄ちゃんの部屋へ入っていく。
「俺帰るわ!」
「え、いきなり?」
「うん、ちかちゃんと出かけてくる」
「えぇ!?」
わいわいと聞こえてくる声を廊下で聞きながらキヨくんを待つ。いつもと変わらないリュックを背負って出てきたキヨくんは、「いこっか」と言いかけてわたしに「……このままだと俺誘拐してるみたいだから、制服だけ着替えてきてくんない?」と苦笑した。
確かに。
キヨくんと出かける。それだけで、落ち込んでいた気持ちがふわふわと霧が晴れて浮かび上がる。いつの間に、キヨくんへの気持ちがこんなに特別なものになっていたんだろう。
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帰宅後、自室にこもってパソコンの画面を眺める。
ヒラくんに言われたこと、ごもっともなのだ。小さい頃から顔のこととか男の子絡みのことで何度も揉めてきた。わたしの隣にいると傷ついてしまうから離れていってしまった子もいた。
そんな過去が、今周りの子をテリトリーに入れないわたしを完成させてしまっている。別に、今周りにいる子に何をされたわけでもないのに。
だから、わたしのことを特別扱いしないキヨくん達といる世界は心地よくて、こうしてコメントしてくれてる人たちもわたしのことを何の先入観もなく見て楽しんでくれている。
それだけで十分すぎるはずなのに、やっぱり学校にいると息苦しい。それをヒラくんに指摘されてとても落ち込んでしまった。
しかも、キヨくんが就職を考えているというから、あぁ、私の居場所はまたこうして消えていくんだと思ってしまった。
「……」
机の上に置いていた携帯のバイブ音がなりそれを見ると、ヒラくんから「ごめん、俺の言ったこと気にすんなよ」とらしくないメールが入っていた。
「気にしてないよ、大丈夫。わたしもごめん」と返信すると、パソコンを閉じて部屋から出た。
「あ」
「あ」
出た瞬間に、トイレからお兄ちゃんの部屋に戻ってくる途中だったらしいキヨくんと鉢合わせた。ぱちっと目が合うと、思わずそらして足元を見てしまった。
「俺のこと好きなんじゃねえの」と言われて自分の気持ちに予感を感じたあの日から、妙にキヨくんと気まずい。
「ちかちゃん、今、ひま?」
「へ?」
「もう動画撮り終わったし、俺とどっか行かない?」
「……」
キヨくんと2人で出かけるなんて、初めてのことかもしれない。こくんと頷く私に、「オッケー、待ってて」と小さく笑ってお兄ちゃんの部屋へ入っていく。
「俺帰るわ!」
「え、いきなり?」
「うん、ちかちゃんと出かけてくる」
「えぇ!?」
わいわいと聞こえてくる声を廊下で聞きながらキヨくんを待つ。いつもと変わらないリュックを背負って出てきたキヨくんは、「いこっか」と言いかけてわたしに「……このままだと俺誘拐してるみたいだから、制服だけ着替えてきてくんない?」と苦笑した。
確かに。
キヨくんと出かける。それだけで、落ち込んでいた気持ちがふわふわと霧が晴れて浮かび上がる。いつの間に、キヨくんへの気持ちがこんなに特別なものになっていたんだろう。
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