頼むぜ最終兵器
name
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
.
キヨくんから秘密の計画を聞いてから、キヨくんはお兄ちゃんと2人でニコニコ動画という動画サイトにゲーム実況を載せ始めた。
お兄ちゃんはなんだか誇らしげだったが、キヨくんは初めて来たコメントが「糞ガキ市ね」だったとかなり落ち込んでいた。すごい世界だ。
その影響もあって、わたしもニコニコ動画でゲーム実況の動画を見るようになった。2人の動画を時々マイリストに登録したりしてこっそり応援していた。
「キヨくんてさ」
「うん」
「動画の時と普段と、テンションが違いますよね」
「それは俺も思った」
「だよね」
「……どっちの俺が好き?」
「気持ち悪ーい」
3人でゲームをしながらケラケラ笑う。カチャカチャっとボタンを操作しながら暴走するモンスターにぎゃあぎゃあ言っているわたしを見て、お兄ちゃんは暫く黙り込むと「ちかー」とわたしからPSPを取り上げる。
いいところで取られたもんだから「あー!!!」と絶叫すれば、「兄ちゃんから頼みがある」と真面目な顔で言ってきた。
「え、なに」
「お前、俺たちの動画でないか?」
「……え、わたしが?」
「こーすけ、ちかちゃんまだ中学生じゃん」
呆然とするわたしに、キヨくんが冷静に言った。「しかも女の子だし、普通に特定とか怖いだろ……有名になったらだけど」と微妙な顔で続ける。
「女の実況者あんまりいないし、正直ちかの腕はかなりいいほうだと思うからさ、俺たちが行き詰まったり、難易度高いゲームする時に助っ人として横にいてくれるだけで話題になるんじゃないかと思って」
「やる!」
「よし!」
「……おい」
ぺらぺらと話すお兄ちゃんの言葉は半分くらいよくわからなかったけど、私は大きく頷いた。
呆れたように止めようとするキヨくんの方を向き直すと、「だってわたしも思うもん」と続けた。
「キヨくんは他の人より面白い動画撮れると思うし、わたしはそのへんの人よりゲーム上手いと思う!」
「……」
「楽しそうじゃん!」
「部活と勉強に支障ないくらいにさせるし、基本的には俺たち2人での実況ってのは引き続きだ」
「いいだろ?」「いいでしょ?」「そういう時だけ息合うよね、お前ら……」呆れるキヨくんを見つめ返せば、わかったよと渋々頷いた。
夢のスタートってそんなことでいいんだと思う、「俺の方が面白い」「わたしの方が上手い」。わたしとキヨくんも似てないようで似た者同士だったってことだ。
.
キヨくんから秘密の計画を聞いてから、キヨくんはお兄ちゃんと2人でニコニコ動画という動画サイトにゲーム実況を載せ始めた。
お兄ちゃんはなんだか誇らしげだったが、キヨくんは初めて来たコメントが「糞ガキ市ね」だったとかなり落ち込んでいた。すごい世界だ。
その影響もあって、わたしもニコニコ動画でゲーム実況の動画を見るようになった。2人の動画を時々マイリストに登録したりしてこっそり応援していた。
「キヨくんてさ」
「うん」
「動画の時と普段と、テンションが違いますよね」
「それは俺も思った」
「だよね」
「……どっちの俺が好き?」
「気持ち悪ーい」
3人でゲームをしながらケラケラ笑う。カチャカチャっとボタンを操作しながら暴走するモンスターにぎゃあぎゃあ言っているわたしを見て、お兄ちゃんは暫く黙り込むと「ちかー」とわたしからPSPを取り上げる。
いいところで取られたもんだから「あー!!!」と絶叫すれば、「兄ちゃんから頼みがある」と真面目な顔で言ってきた。
「え、なに」
「お前、俺たちの動画でないか?」
「……え、わたしが?」
「こーすけ、ちかちゃんまだ中学生じゃん」
呆然とするわたしに、キヨくんが冷静に言った。「しかも女の子だし、普通に特定とか怖いだろ……有名になったらだけど」と微妙な顔で続ける。
「女の実況者あんまりいないし、正直ちかの腕はかなりいいほうだと思うからさ、俺たちが行き詰まったり、難易度高いゲームする時に助っ人として横にいてくれるだけで話題になるんじゃないかと思って」
「やる!」
「よし!」
「……おい」
ぺらぺらと話すお兄ちゃんの言葉は半分くらいよくわからなかったけど、私は大きく頷いた。
呆れたように止めようとするキヨくんの方を向き直すと、「だってわたしも思うもん」と続けた。
「キヨくんは他の人より面白い動画撮れると思うし、わたしはそのへんの人よりゲーム上手いと思う!」
「……」
「楽しそうじゃん!」
「部活と勉強に支障ないくらいにさせるし、基本的には俺たち2人での実況ってのは引き続きだ」
「いいだろ?」「いいでしょ?」「そういう時だけ息合うよね、お前ら……」呆れるキヨくんを見つめ返せば、わかったよと渋々頷いた。
夢のスタートってそんなことでいいんだと思う、「俺の方が面白い」「わたしの方が上手い」。わたしとキヨくんも似てないようで似た者同士だったってことだ。
.