兄が話す妹の話
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ko-suke
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最俺で実況を録り終えると、いつものように俺の部屋で駄弁る会が始まった。成人してからは、お酒も入り始めたので、一度始まると長い。キヨは黙々と飲んで大学の課題をしていたり、フジは楽しげに下ネタを連発しており、ヒラはすぐ寝てしまうことが多い。
「あ、そういやさぁ」
フジが思い出したように呟いた。
「今日の実況、ちかちゃん誘っても来なかったんだけど、なんかあったんかな」
「……確かに。いつもなら飛んで来るのにな」
キヨも珍しく心配そうな声を出している。確かに、俺たちの実況の時、ちかを誘うと待ってましたとばかりに飛んで来る。基本的にプレイ人数の制限がなかったり一人欠けている時は呼びつけたりしていた。
そのちかが、今日は扉越しに「今日無理」と一言すっぱり断ってきたとフジが言った時は耳を疑った。
「ヒラ、お前ちかとウチまで来たろ?なんか変わった様子あった?」
「え?俺?」
ヒラに声をかけると暫く考えた後、「ちかちゃん学校で友達いんの?って話した」と残酷なことを飄々と言ってのけた。ドン引きする俺たち。首を傾げているヒラにさらに戦慄する。
キヨは「サイコパスかよお前」と一言。
「いや、社会人としてやっていけてんのかとか舐めたこと言われたから、俺なら顔だけいいから比べられたくないし友達になりたくねーやって」
「ばかかお前はー!!!」
フジが絶叫しながらヒラの頭をスパンと叩く。
ヒラとちかの罵り合いは今に始まった話ではなく、知り合った当初から何かとお互い突っかかりあっていた。仲が悪いわけではなく、普通に二人とも楽しそうにしていたから、割合兄妹げんかみたいなもんだった。キヨとフジよりもヒラとの方が付き合いが長いしな。本当の兄妹の俺がいうのも変な話だけど。
フジは「思春期のいたいけな乙女によくそんなこと言えたな!」と焦っている。
「いや、実際単純に心配だったから。即帰宅即実況撮ってて、友達と遊んでんの数えるくらいしか話聞いたことないし」
「……」
率直なヒラの言葉にシーンと沈黙が走る。
キヨが「色々あんじゃん。女子なんだし」と至極正論を言った。そうだ、あいつにはあるのだ、色々と。多分キヨは何も知らないで庇う為に言ったんだろうけど。
「お前らには言っとくけどさ」
「……」
「あいつ、自分の顔心底コンプレックスなんだよ」
これからもちかにとって大事な存在になるであろうこいつらだから言っておこうと思った。
3人ともビールの缶を煽る手を止めて俺の方を見ている。
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最俺で実況を録り終えると、いつものように俺の部屋で駄弁る会が始まった。成人してからは、お酒も入り始めたので、一度始まると長い。キヨは黙々と飲んで大学の課題をしていたり、フジは楽しげに下ネタを連発しており、ヒラはすぐ寝てしまうことが多い。
「あ、そういやさぁ」
フジが思い出したように呟いた。
「今日の実況、ちかちゃん誘っても来なかったんだけど、なんかあったんかな」
「……確かに。いつもなら飛んで来るのにな」
キヨも珍しく心配そうな声を出している。確かに、俺たちの実況の時、ちかを誘うと待ってましたとばかりに飛んで来る。基本的にプレイ人数の制限がなかったり一人欠けている時は呼びつけたりしていた。
そのちかが、今日は扉越しに「今日無理」と一言すっぱり断ってきたとフジが言った時は耳を疑った。
「ヒラ、お前ちかとウチまで来たろ?なんか変わった様子あった?」
「え?俺?」
ヒラに声をかけると暫く考えた後、「ちかちゃん学校で友達いんの?って話した」と残酷なことを飄々と言ってのけた。ドン引きする俺たち。首を傾げているヒラにさらに戦慄する。
キヨは「サイコパスかよお前」と一言。
「いや、社会人としてやっていけてんのかとか舐めたこと言われたから、俺なら顔だけいいから比べられたくないし友達になりたくねーやって」
「ばかかお前はー!!!」
フジが絶叫しながらヒラの頭をスパンと叩く。
ヒラとちかの罵り合いは今に始まった話ではなく、知り合った当初から何かとお互い突っかかりあっていた。仲が悪いわけではなく、普通に二人とも楽しそうにしていたから、割合兄妹げんかみたいなもんだった。キヨとフジよりもヒラとの方が付き合いが長いしな。本当の兄妹の俺がいうのも変な話だけど。
フジは「思春期のいたいけな乙女によくそんなこと言えたな!」と焦っている。
「いや、実際単純に心配だったから。即帰宅即実況撮ってて、友達と遊んでんの数えるくらいしか話聞いたことないし」
「……」
率直なヒラの言葉にシーンと沈黙が走る。
キヨが「色々あんじゃん。女子なんだし」と至極正論を言った。そうだ、あいつにはあるのだ、色々と。多分キヨは何も知らないで庇う為に言ったんだろうけど。
「お前らには言っとくけどさ」
「……」
「あいつ、自分の顔心底コンプレックスなんだよ」
これからもちかにとって大事な存在になるであろうこいつらだから言っておこうと思った。
3人ともビールの缶を煽る手を止めて俺の方を見ている。
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