ニコニコ超会議
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すごい人だ。前に東京に来た時もそうだったけれど、今回はそれがひとつの場所に集結しているからもっとすごい。
『ニコニコ超会議』
今のわたしなんて呼ばれるイベントでは無いので、キヨくん達のおこぼれでやってきた。1年に1度行われるニコニコ動画のイベントで、様々な生放送イベントがホールの各所で行われている。
出演者ではないけれど一応つけときなと言われたサングラスの奥から人でごったがえす会場を見渡した。
「すごい人だあ」
「迷子になるなよ~」
「ならないよ」
「いや割とちかちゃんとヒラは流されそう」
へらへらと笑うフジくんにむっとしていると、キヨくんがわたしの方を振り返り「リュックの紐握っといていいよ」と声をかけてくれる。
悔しいけれどたしかに人の波に流されそうなので、キヨくんの高校時代から変わらないリュックの紐を握った。
「あ、あの!キヨですか?」
「あ、はい」
最俺が登壇するイベントの会場の方へ歩いていると、ちょうどわたしと同い年くらいの女の子たちが寄ってきて、キヨくんに声をかけた。
その騒ぎを聞き付けたのか、周りには段々と人だかりができていて、携帯を取り出して盗撮している人もいた。
「ちかちゃん」
「……あ」
晒し者のようになっている空間におどおどとしていると、人混みの方から声をかけられる。
そちらを見ると、レトさんが私の方に向かって手招きをしていた。キヨくんたちからそっと離れてレトさんの方へと逃れて、大きく息をついた。
「ありがとうレトさん……」
「ちょっと離れよう、あっちのほう関係者しか入れないから」
レトさんの言葉に「でも」とキヨくん達の方を振り返ると、レトさんは「大丈夫大丈夫」と笑いながら人混みから離れて『STAFF ONLY』と書かれた場所へと入っていく。
「この子、最俺のツレです」
「……こんにちは」
スタッフさんに挨拶をしながら奥の方へ行くとやっと一息ついた。
去年よりも少し前髪が伸びただろうか。相変わらず優しいオーラの漂うレトさんを改めて見つめた。
「キヨくん達すげえ人気だねえ」
「……レトさんも変わらないでしょ」
「俺はオーラないからあんま気づかれんよ」
レトさんはけたけたと笑った。
わたしはサングラスをはずすとその場にしゃがみこむ。
「……どしたー?」
「……疲れた」
ぐったりだ。
どうも、人混みに酔ったらしい。
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すごい人だ。前に東京に来た時もそうだったけれど、今回はそれがひとつの場所に集結しているからもっとすごい。
『ニコニコ超会議』
今のわたしなんて呼ばれるイベントでは無いので、キヨくん達のおこぼれでやってきた。1年に1度行われるニコニコ動画のイベントで、様々な生放送イベントがホールの各所で行われている。
出演者ではないけれど一応つけときなと言われたサングラスの奥から人でごったがえす会場を見渡した。
「すごい人だあ」
「迷子になるなよ~」
「ならないよ」
「いや割とちかちゃんとヒラは流されそう」
へらへらと笑うフジくんにむっとしていると、キヨくんがわたしの方を振り返り「リュックの紐握っといていいよ」と声をかけてくれる。
悔しいけれどたしかに人の波に流されそうなので、キヨくんの高校時代から変わらないリュックの紐を握った。
「あ、あの!キヨですか?」
「あ、はい」
最俺が登壇するイベントの会場の方へ歩いていると、ちょうどわたしと同い年くらいの女の子たちが寄ってきて、キヨくんに声をかけた。
その騒ぎを聞き付けたのか、周りには段々と人だかりができていて、携帯を取り出して盗撮している人もいた。
「ちかちゃん」
「……あ」
晒し者のようになっている空間におどおどとしていると、人混みの方から声をかけられる。
そちらを見ると、レトさんが私の方に向かって手招きをしていた。キヨくんたちからそっと離れてレトさんの方へと逃れて、大きく息をついた。
「ありがとうレトさん……」
「ちょっと離れよう、あっちのほう関係者しか入れないから」
レトさんの言葉に「でも」とキヨくん達の方を振り返ると、レトさんは「大丈夫大丈夫」と笑いながら人混みから離れて『STAFF ONLY』と書かれた場所へと入っていく。
「この子、最俺のツレです」
「……こんにちは」
スタッフさんに挨拶をしながら奥の方へ行くとやっと一息ついた。
去年よりも少し前髪が伸びただろうか。相変わらず優しいオーラの漂うレトさんを改めて見つめた。
「キヨくん達すげえ人気だねえ」
「……レトさんも変わらないでしょ」
「俺はオーラないからあんま気づかれんよ」
レトさんはけたけたと笑った。
わたしはサングラスをはずすとその場にしゃがみこむ。
「……どしたー?」
「……疲れた」
ぐったりだ。
どうも、人混みに酔ったらしい。
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