彼の一言だけで
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PCの画面に表示されているのは、「レトルトさん」の名前。わたしやキヨくんより幾分先輩のレトさんには、あのイベント以来何度も連絡させてもらって、1度だけ3人コラボで実況もとってもらった。
あのイベントの時の印象とはうってかわり、レトさんは打ち解けると毒が入るらしく、実況中なんて「クソガキがァ!」と言われるくらいだった。特別扱いされてる気がしなくて居心地が良かったのは、わたしがマゾっけがあるのかもしれないけど。
『ホラーやれば』
「……えぇ」
わたしの話をひと通り聞き終えたレトさんから言われた一言が、ヘッドフォンから響き脳内をこだまする。
『ホラーゲーム』。本当に嫌いなのだ。わたしは。
「いやだ……」
『でも俺、最俺に出てるちかちゃんの動画で1番面白いと思うのホラー実況だよ』
「……えぇ」
『ホラーなら、リアクションも改善するんじゃない』
「……はぁ」
「えぇ」やら「はぁ」やら気の抜けた返事しか出来ないわたしに、レトさんは「お前聞いてんの」と半笑いだ。
「聞いてます」
『うん、じゃあものは試し、フリーホラーゲームでもやってみますか』
「レトさんの方が話聞いてんの!?嫌だってば!」
『たくさんの人に見てほしいんでしょ?』
レトさんはわたしに言い聞かせるように「面白い実況とれるようになりたいんでしょ?」と重ねて問う。
それはそうだ。別に人気者になりたい訳では無いけど、やっぱり実況をとるからには色んな人に楽しんで貰えたら嬉しい。始めたからには少しでも面白い実況取りたいと思っている。
「……やる」
『よし。じゃあこれ』
レトさんはわたしのSkypeのトークにフリーホラーゲームのurlを貼り付ける。それをクリックした瞬間に、まがまがしいタイトル画面がPCに映し出された。
それを見るだけで、ホラー耐性のないわたしはとてもじゃないけど悪寒が走った。
「……レトさん」
『なに』
「……無理かも」
『はいREC開始』
「無理だよ!」
『既に面白いよ~いいよ~リアクションいいね~』
「聞いてんの!?」
その夜、レトさんと通話を繋いだまま、何度も死にそうな声を上げながらなんとかそのホラーゲームをクリアした。
何度か、何事かとお兄ちゃんが部屋を覗きに来たけど、その部分もカットせずに投稿した方がいいというレトさんの言葉通り、わたしはほぼノーカットのままその動画をニコニコ動画に投稿した。
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PCの画面に表示されているのは、「レトルトさん」の名前。わたしやキヨくんより幾分先輩のレトさんには、あのイベント以来何度も連絡させてもらって、1度だけ3人コラボで実況もとってもらった。
あのイベントの時の印象とはうってかわり、レトさんは打ち解けると毒が入るらしく、実況中なんて「クソガキがァ!」と言われるくらいだった。特別扱いされてる気がしなくて居心地が良かったのは、わたしがマゾっけがあるのかもしれないけど。
『ホラーやれば』
「……えぇ」
わたしの話をひと通り聞き終えたレトさんから言われた一言が、ヘッドフォンから響き脳内をこだまする。
『ホラーゲーム』。本当に嫌いなのだ。わたしは。
「いやだ……」
『でも俺、最俺に出てるちかちゃんの動画で1番面白いと思うのホラー実況だよ』
「……えぇ」
『ホラーなら、リアクションも改善するんじゃない』
「……はぁ」
「えぇ」やら「はぁ」やら気の抜けた返事しか出来ないわたしに、レトさんは「お前聞いてんの」と半笑いだ。
「聞いてます」
『うん、じゃあものは試し、フリーホラーゲームでもやってみますか』
「レトさんの方が話聞いてんの!?嫌だってば!」
『たくさんの人に見てほしいんでしょ?』
レトさんはわたしに言い聞かせるように「面白い実況とれるようになりたいんでしょ?」と重ねて問う。
それはそうだ。別に人気者になりたい訳では無いけど、やっぱり実況をとるからには色んな人に楽しんで貰えたら嬉しい。始めたからには少しでも面白い実況取りたいと思っている。
「……やる」
『よし。じゃあこれ』
レトさんはわたしのSkypeのトークにフリーホラーゲームのurlを貼り付ける。それをクリックした瞬間に、まがまがしいタイトル画面がPCに映し出された。
それを見るだけで、ホラー耐性のないわたしはとてもじゃないけど悪寒が走った。
「……レトさん」
『なに』
「……無理かも」
『はいREC開始』
「無理だよ!」
『既に面白いよ~いいよ~リアクションいいね~』
「聞いてんの!?」
その夜、レトさんと通話を繋いだまま、何度も死にそうな声を上げながらなんとかそのホラーゲームをクリアした。
何度か、何事かとお兄ちゃんが部屋を覗きに来たけど、その部分もカットせずに投稿した方がいいというレトさんの言葉通り、わたしはほぼノーカットのままその動画をニコニコ動画に投稿した。
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