初めての生放送
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kiyo
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俺達は、4人で活動していくことにお互い何の違和感も遠慮もなかった。
でも、ちかちゃんは違う。この子には未来があって、俺たちの自己満足に付き合わせるのは違う。だから俺も遠ざけ、ちかちゃんも自分から遠ざかって行った。
でも顔を突合せてみればお互い寂しかっただけだった。
「……わたしもみんなとゲームしたいよ」
「……うん」
「……置いていかないで」
「……うん」
泣きそうになりながら俺と手首を掴んだちかちゃんの手は思っていたより冷たい。
「勘違いしないで」と俺もはっきり言った。
「……俺たちはただ、ゲームしてるだけだよ……なんも変わってないよ」
「……うん。……わたしも、みんなとするゲームが好きなの。何も変わってない」
ちかちゃんの言葉に頷く。
いつの間に、お互いにそっぽ向いてしまっていたんだろう。俺はちかちゃんを巻き込むまいと遠ざけて、ちかちゃんは自分とは違う世界に行ってしまったんだと俺たちを遠ざけて。
「……キヨくん、わたし、自分のアカウントをちゃんと作る」
「え」
「ゲームが好き、実況が好き、だからやる。実況やってなんの意味があるのかなんて思っていたけど、わたしはゲーム実況が好きだからやる」
ちかちゃんは決意したように言った。
俺やこーすけがどれだけ言っても、ちかちゃんは頑なに自分の動画投稿用のアカウントを持たなかった。それは彼女なりの実況と自分の人生との線引きだったんだろう。自分は兄たちの活動に少し乗っかってるだけの一般人ですと。
だからこそこれはちかちゃんなりの意思表示だ。
だったら言ってあげることはひとつだ。あの夏の日、俺の小さな野望を聞いたちかちゃんは言ってくれた。
「……いいじゃん、ぜってぇ楽しいよ」
久しぶりに目が合った気がする。
笑顔で俺を見上げたちかちゃんは、あの時よりぐんと大人っぽくなって、もっと可愛くなった。そんなことに今更気がつくくらい、俺はちかちゃんのことを見ていなかったんだろう。
「一緒にゲームやろう」
俺の言葉にこくこく頷く彼女の頭にそっと手を伸ばす。
その時、控え室のドアがものすごい勢いであけられて、慌てて頭に触れそうになっていた手を下ろす。
「ちかちゃん、アカウント作るって今言った!?」
「おせえよ!今作ろう、そして早く一緒にゲームをしよう」
まくし立てるフジとヒラに面食らう(名前)ちゃん。寂しかったのはどうも、俺たちだけじゃなかったらしい。
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俺達は、4人で活動していくことにお互い何の違和感も遠慮もなかった。
でも、ちかちゃんは違う。この子には未来があって、俺たちの自己満足に付き合わせるのは違う。だから俺も遠ざけ、ちかちゃんも自分から遠ざかって行った。
でも顔を突合せてみればお互い寂しかっただけだった。
「……わたしもみんなとゲームしたいよ」
「……うん」
「……置いていかないで」
「……うん」
泣きそうになりながら俺と手首を掴んだちかちゃんの手は思っていたより冷たい。
「勘違いしないで」と俺もはっきり言った。
「……俺たちはただ、ゲームしてるだけだよ……なんも変わってないよ」
「……うん。……わたしも、みんなとするゲームが好きなの。何も変わってない」
ちかちゃんの言葉に頷く。
いつの間に、お互いにそっぽ向いてしまっていたんだろう。俺はちかちゃんを巻き込むまいと遠ざけて、ちかちゃんは自分とは違う世界に行ってしまったんだと俺たちを遠ざけて。
「……キヨくん、わたし、自分のアカウントをちゃんと作る」
「え」
「ゲームが好き、実況が好き、だからやる。実況やってなんの意味があるのかなんて思っていたけど、わたしはゲーム実況が好きだからやる」
ちかちゃんは決意したように言った。
俺やこーすけがどれだけ言っても、ちかちゃんは頑なに自分の動画投稿用のアカウントを持たなかった。それは彼女なりの実況と自分の人生との線引きだったんだろう。自分は兄たちの活動に少し乗っかってるだけの一般人ですと。
だからこそこれはちかちゃんなりの意思表示だ。
だったら言ってあげることはひとつだ。あの夏の日、俺の小さな野望を聞いたちかちゃんは言ってくれた。
「……いいじゃん、ぜってぇ楽しいよ」
久しぶりに目が合った気がする。
笑顔で俺を見上げたちかちゃんは、あの時よりぐんと大人っぽくなって、もっと可愛くなった。そんなことに今更気がつくくらい、俺はちかちゃんのことを見ていなかったんだろう。
「一緒にゲームやろう」
俺の言葉にこくこく頷く彼女の頭にそっと手を伸ばす。
その時、控え室のドアがものすごい勢いであけられて、慌てて頭に触れそうになっていた手を下ろす。
「ちかちゃん、アカウント作るって今言った!?」
「おせえよ!今作ろう、そして早く一緒にゲームをしよう」
まくし立てるフジとヒラに面食らう(名前)ちゃん。寂しかったのはどうも、俺たちだけじゃなかったらしい。
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