2025年の会話

「ねえ、見て見て〜」
「なにこれ、白紙のスケッチブック?」
「そう」
「……そう? え、俺はこれを見てどうしたらいいの」
「えぇ? なんでわからんのかね、スケッチブックって絵を描くものでしょうが」
「絵を描け、と……?」
「そりゃそうに決まってるでしょ、君」
「じゃあいいぜ、なに描けばいいんだ」
「自由にどうぞ?」
「え待って、お前が買ってきたまっさらなスケッチブックに俺がはじめての絵を描くの? 指定もなしに? ま?」
「ま、です。はやくはやく〜! なに描いてくれるか楽しみで仕方なかったんだよう」
「なんか……、気まずいな」
「ふふん、かわいくなりそうな予感ですな」
「一本目の線だけでそんなことはわからんのよ」
「すいすい描いていくねぇ、人間の顔かな?」
「そうですね、人間の顔ですよ」
「おっ、このクラゲっぽいウルフカットは〜?」
「はい、できましたね」
「僕だぁ――ってあれ、できあがったんじゃないの?」
「お前のこと描いたのに、酒もタバコもギャンブルもないのは全然お前じゃないじゃんってなったからさ」
「うーん、僕ってそんな感じ?」
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