2024年の会話

「ふむ、忘れていたが、もう一年なんじゃないか、君?」
「……うーん、どれつっこんでほしい?」
「別につっこみは求めちゃいないさ。あるとしたら、何忘れてくれとんねん! かな」
「いや俺関西出身じゃないんで……。で、何忘れてるって」
「忘れてることすら忘れてるの本当にかなしいよ、僕は。ほら思い出して、今月10日のこと、思い出してご覧なさい」
「……普通に仕事ありましたね、お前と。それで?」
「そ、それで、ですって……!? 信じらんないこの子なんて子なの、親の顔が見てみたいわね!」
「近所のおばちゃんのマネはいいけど。ムダに似てんな」
「10月10日だよ? 忘れることある?」
「あるよ、ここまで聞いて出てこないんなら全忘れだよ」
「じゃあ答え合わせ。ここに越してきて1周年、でしたぁ!」
「う〜ん、引越しの日付とか覚えておく人いるかぁ? 何も記念日にできるようなレベルに達してないだろ、引越し」
「僕らの1周年だよ?」
「同居はもっと前からだし俺たちの1周年ではないな。出会いはもっと前だし、組んだのももっと前。そんなことよりこの流れで出てくると思った話題に、1ミリも触れられなかったの信じがたいんだが?」
「え? なんだろ、そんなのあるっけ」
「そんなのとか言うな、あるだろ。引越しの日付覚えてるくせして、もっと重要なこと忘れてるのはさすがにギルティ」
「え〜っと……、降参っ!」
「……俺の誕生日な」
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