2024年の会話

「……なんでそんなこと家の中でやるの? 危ないだろ」
「え? 帰ってそうそうそんなこと言わないでよ。あと僕に話しかけるより先に『ただいま』が聞こえなかったな」
「はい、ただいま! んで! 何やってんだっての」
「ん、おかえり〜。んで、僕はこの黒い紙に虫眼鏡で太陽光を集めてるんだ、着火しようと思って。楽しい実験だね」
「いやその、それをやるのは別にいいんだけど……わっかんねえかなぁ」
「大丈夫だよぉ、僕、失敗しないから」
「わかってんだな、わかっててやってるってこったな」
「ほら見て、何があってもいいように水も近くに準備してるんだから。僕ってば偉すぎ」
「違う違う、水用意すりゃいいって話じゃないのよ。何かあることが想定できる時点でやめるべきだとは思わなかったかね? もしくは外に出てやれ、まじで怖いんだよお前」
「外に出てやってもいいの、本当に? 玄関とか駐車場とか公園でやってたらさ、あの子あの声がでかい黒髪メガネの同居人じゃない? ってうわさされるよ?」
「えぇっと、それどれが悲しいかな……お前と同居してんのバレてるのがいちばん悲しいかもな!」
「まあいいや。どっちにしろ君が帰ってくるまでって決めてたんだ。君が帰るが早いか、火がつくが早いか。火の負け」
「あっぶねえ、なんかイヤな予感したから急いで帰って来たんだわ。正解だったな」
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