2024年の会話

「ねえ君さぁ、覚えてる? ゴールデンウィークに僕の運転で海まで行ってさ、帰りめちゃ渋滞してて夜明かしたやつ」
「……な、なんですか?」
「ほら、あのとき君が爆音で音楽流して、ふたりで熱唱したじゃん? あれまじで楽しかったからまたやろうよ」
「んー、ちょっと待ってね、俺、何の話されてる?」
「だからぁ、去年かいつかのゴールデンウィークの話」
「あのね、最初っから整理しような。ゴールデンウィークにお前の運転で海に行ったことなんて一回もないよな?」
「……ないよ?」
「え、お前正気? 存在しない記憶でしゃべってる?」
「うん、そうだね。僕は正気のままで存在しない思い出話してるね。でも楽しかったでしょ?」
「うーん、楽しいかどうかで言うと……どうかな、俺がのったら楽しいかもね」
「じゃあのってみてくれる?」
「そうだなぁ。もう一回やるとしたらまた渋滞するような時期にハイウェイ乗らないとじゃん? 今ここでやってもいいけど、それじゃ楽しさは劣るからなぁ」
「ふむふむ、確かにそれはそうだね。じゃあ、あと約360日後か。楽しみだねぇ、あっはは!」
「夏休みとか冬休みのあたりも狙い目なんじゃね? まあ、とりあえずニュースでも見ようぜ! あはは、は、はは……いや、ちょっとさすがに心配すぎるかもね」
13/73ページ
スキ