僕は朝がきらいだ。夜が見せてくれた幸せな夢を食い破るから。
 だからこそ朝は美しい? だからこそ夢ははかない? 馬鹿ばかなことをいわないでくれ。そんなつまらないことで僕の幸せな時間をうばわないでくれ。ただ一つの心安らぐ時間を、愛すべき夢を盗まないでくれ。僕の生きる場所に、朝日なんて要らないのに。
 だけど夜も嫌いだ。何かに感動できても、幸福を手に入れても、夜が全てを殺すから。
 素敵だと思ったって、好きだと思ったって、何もかも失ってしまう。僕の影はやみを受けて薄くなる。僕自身が薄くなっていくのを感じるんだ。僕の思考も、生きる意味も、全部全部消えてなくなる。
 昼だって嫌いだ。僕の嫌いなニンゲンとの交流を強制するから。
 僕が独りきりで生きられるだなんて、そんな頭の悪いことは考えやしない。独りで生きられるのなら、こんな世界ができあがるわけがない。協力しよう? 高め合おう? ふざけないでくれ。僕を見るな。
 だから全てを創り上げた神が大嫌いなんだ。僕を、全てを苦しめるから。
 どうせそうさ、あなたはこんな僕を笑っているんだ。自分が創った面白いものだと、さあ苦しめと、そうあざけっているんだ。楽しんで遊んでいるんだ。そうでしょう? そうなんでしょう?
 そんなことなら、早く僕を消してくれ。
 僕を僕から解放してくれ。
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