💚 ̖́- 蒔採の𝐥𝐨𝐧𝐠 𝐬𝐭𝐨𝐫𝐲

第1章03
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課題で演じるダンスや歌において、彼の表現は正確で優雅だったが、どこか無機質だった。


ステージの上で誰かになりきることよりも、
誰かを“奪いたい”という欲望が前に出すぎてしまう。


演目に対する感情移入が極端に乏しいのだ。


また、他の生徒と連携を取るペアレッスンやユニゾン練習でも、
彼の視線や動きは独特で、常に“誰か”に向けられているようでいながら、
その誰かが観客や共演者ではないように思えた。


「誰かひとり」を求める視線は、グループの和を乱し、
協調性に欠けるとさえ見なされる場面もあった。


それでも彼は、誰よりも早くレッスンに来ては
鏡の前で自分のポージングを研究し続けていた。



鏡の向こうの自分を“魅せる”のではなく、“捕らえる”ために——。



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