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💚 ̖́- 蒔採の𝐥𝐨𝐧𝐠 𝐬𝐭𝐨𝐫𝐲

第1章02.
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それは中等部の頃。

学園内で行われたイベントの一環として披露された、アイプリステージ。


ステージが始まると、会場が一瞬にして華やかな空気に包まれた。

カラフルな照明が踊り、音楽が高鳴り、観客の歓声が波のように押し寄せる。

その中心で踊っていたのは、蒔採と同年代とは思えないほど堂々とした少女だった。

彼女は、誰かに向けるでもなく、けれど誰もを魅了する笑顔を浮かべていた。

蒔採は、その表情に心を奪われた。

そして、同時に胸の奥に何かが突き刺さるような感覚を覚えた。


(この子が……俺だけのものだったら)


そう思ったのだ。


胸の奥に浮かんだその衝動は、恋とも憧れとも違う、もっと自分本位な欲望だった。


「誰かの“1番”でいたい」——それは、ただ愛されたいという願望ではなかった。

他の誰にも渡したくない、誰かの特別になりたい。

たった一人の視線と心を、自分のもので染め上げたい。



その願いを叶えるために、蒔採は決意した。
「あのステージに、自分も立つ」と。


それが、彼がアイプリスクールの門を叩いた理由だった。


動機は歪でも、彼に備わった美的感覚とポージングセンスは抜きん出ており、スクールでは早々注目を集めた。



けれど——それでも心は晴れなかった。


練習で踊るたび、鏡の中に映るのは「魅せる」ための自分ではなく、「奪いたい」ための自分だった。

舞台の表現を磨くというよりは、“欲望”を叶えるための手段としてしかステージを捉えられない。


その結果、指導者たちは蒔採の才能を評価する一方で、
彼の内側に漂う違和感に気づき始める者もいた。



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