このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

💛 ̖́- 翡馬の𝐥𝐨𝐧𝐠 𝐬𝐭𝐨𝐫𝐲

第11章02
---



数日後。


鳳は、ひとつの現場に翡馬を連れて行った。

そこは、ユニットで活動する若手アイプリたちのリハーサルスタジオだった。

息を合わせ、声を重ね、時にぶつかりながら、彼らは一つのステージを作っていく。


その様子を、翡馬は言葉もなく見つめていた。


——一人じゃない光。


——支え合うことで、強くなる存在。


「あなたに、足りないものが何か。もう、分かるでしょう?」

鳳の言葉に、翡馬はゆっくりとうなずいた。

「……俺、誰かの光にはなれても、一緒に輝くこと、考えたことなかったです」


鳳は、はっきりと言った。


「だから今は、まだ一人でいい。でも——この先、あなたは“独りでは完結しない”」



その帰り道。

秋空の下、翡馬は立ち止まり、空を見上げた。


(折れたんやない……これは、広がる前の痛みや)


一度、自分の光が限界を迎えたからこそ、次が見えた。


——いつか、誰かと並んで立つ未来。


高校二年生の秋。


瀬ノ上翡馬は、初めて“自分一人では足りない”という事実を、真正面から受け止めた。


それは、ユニットという未来へ向かうための、大きな分岐点だった。



第11章【完】
36/39ページ
スキ