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💛 ̖́- 翡馬の𝐥𝐨𝐧𝐠 𝐬𝐭𝐨𝐫𝐲

第10章02
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翌日。

合同リハーサルのスタジオで、他プロダクションのアイプリたちが談笑している。
その中でひときわ目立つ存在がいた。

センター経験も豊富で、完成された“強さ”を持つアイプリ。

その視線が、一瞬だけ翡馬に向く。

——値踏みするような目。

翡馬は、無意識に拳を握った。

(負けたくない。でも……張り合うだけやない)


リハーサルが始まる。

翡馬は、あえて大きくは動かなかった。
その代わり、一つひとつの動きに、視線と間を込める。

見る人に“居場所”を渡すように。

音が止まる。

一拍の沈黙。

誰かが、ゆっくりと息を吐いた。

「……今の、なんか残る」

小さな声だった。でも、確かだった。


リハーサル後、千弘が翡馬を呼び止めた。

「さっきの選択、怖くなかった?」

翡馬は少し笑った。

「正直、めっちゃ怖かったです。でも……俺、競うことよりも、届けたかったんで」

千弘は、ほんの一瞬だけ目を細めた。

「それでいい。あなたは、そういうアイプリだから」

合同ライブ当日。

ステージ裏で、翡馬は深く息を吸った。
遠くから聞こえる歓声。

その中に、確かに混じる黄色の光。

(ここや……ここで、選ぶんや)


音が鳴る。


一歩、前へ。


ぶつかる光の中で、翡馬は自分の覚悟を、静かにステージへ解き放った。


——この夜、誰かの心に残る“名前”になるために。



第10章【完】
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