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💛 ̖́- 翡馬の𝐥𝐨𝐧𝐠 𝐬𝐭𝐨𝐫𝐲

第10章01
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合同ライブ本番まで、残り一週間。

スタジオには、いつもより重たい空気が流れていた。
音を止めるたび、誰かの息遣いがやけに大きく聞こえる。

翡馬は、振り付けの最後でほんの一瞬、足を止めてしまった。

「……ストップ」

鳳千弘の声が、静かに響く。

「今の、どう思った?」

翡馬は息を整えながら、正直に答えた。

「……悪くないとは思います。でも、足りへん気もします」


千弘は腕を組み、少しだけ視線を落とした。


「そうね。悪くないわ。でも、それだけ。合同ライブは“印象に残った人”が勝つ場所よ」


胸の奥が、ぎゅっと締め付けられる。

(印象に……残る……)

「瀬ノ上翡馬として、何を残すの?」

問いは鋭く、逃げ場がなかった。



その日の帰り道。

夜風に当たりながら、翡馬は歩いた。頭の中では、これまでのステージが何度も再生される。

笑顔、拍手、黄色の光。


(俺は……何を伝えたいんや)


家に帰っても、答えは出なかった。


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