このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

💛 ̖́- 翡馬の𝐥𝐨𝐧𝐠 𝐬𝐭𝐨𝐫𝐲

第8章01
---


ショッピングモールの朝は、思った以上に静かだった。
大きなホールに並べられた簡易ステージ。
照明も本格的ではなく、客席も二十席ほど。

“これが……俺の、初めてのソロステージなんやな。”

胸が緊張でざわつく。
昨日まで何度も書き直したコピーとポスターが、ステージ横のボードに貼られている。

『笑顔の行き先──瀬ノ上翡馬 MiniLive』

自分が打った文字が、こんなにも重く見えたのは初めてだった。

「おはよ、翡馬」

明るい声がして振り返ると、
鳳千弘社長がスムージー片手に歩いてくる。

「顔、めちゃくちゃ引きつってるわよ? 大丈夫?」

「……だ、大丈夫です!たぶん!」

千弘は吹き出しそうになるのを堪えながら、肩をポンと叩いた。

「緊張するのは“ちゃんと向き合ってる証拠”。
逃げてないってことよ。誇りなさい」

その言葉は、まるで一瞬で胸を温めてくれる魔法だった。

→
26/39ページ
スキ