💛 ̖́- 翡馬の𝐬𝐡𝐨𝐫𝐭 𝐬𝐭𝐨𝐫𝐲
――会場全体が、黄色のペンライトで海のように揺れていた。
その中心に立つ翡馬の頬が、少しだけ熱を帯びている。
「……みんな、今日は来てくれておおきに!」
歓声と拍手が一斉に返ってきた。
耳が少しキーンとするほどの音。
でも、それが嬉しい。
「誕生日を、こうやって大好きな人たちと迎えられるなんて……去年の俺は、想像もしてへんかったわ」
「おめでとー!!」と客席から声が飛ぶ。
「おおきにーーッ!……ほんまに、嬉しいわ」
翡馬は一度言葉を切り、照明に照らされた客席をゆっくりと見渡した。
「俺、まだまだ未熟やし……時々、自分が何してんのか分からんくなるときもあんねん。でもな、ステージに立ってみんなの顔見たら……ああ、俺はここにおるべきやって思えるんよ」
再び大きな拍手が響く。
胸の奥がじんわり温かくなった。
「今日は最後に、新曲やります。タイトルは『きみのひかり』。……これは、俺がこの一年で感じた、みんなへの感謝を詰め込んだ歌や」
イントロが流れ出す。
自然と客席の手が左右に揺れ、黄色い光が波のように広がる。
♪「僕が笑えるのは きみが笑ってくれるから……」
サビでは光がさらに強く揺れ、客席のあちこちから小さなすすり泣きが混じった。
曲が終わる。
マイクを握ったまま、翡馬はそっと涙をぬぐう。
「……これからも、君の光になれるように、全力で走るから。だから、ずっとそばにおってな」
天井から金色の紙吹雪が舞い降りる。
観客が一斉に彼の名前を呼び続けた。
――その夜の翡馬は、誰よりも眩しかった。
翡馬2025生誕ライブ「光をくれた君へ」【完】