中学時代。
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階段を上がってすぐの部屋の扉を開けてくれ、中に促されるまま入ると、自分の部屋とは全く違う。柔らかい匂いのする白とピンクを基調とした可愛らしい部屋に案内された。
これが女子の部屋…。
ごっつええ匂いするやんけ。
「えらい可愛らしい部屋やなあ。ワイの部屋とは大違いやわ。」
キョロキョロと部屋を見回しながら素直な感想を述べると照れたような笑顔で「ありがとう。」と言われた。
「あっ、その辺適当に座っててお茶と救急箱持ってくるから。」
「おおきに。」
どこか慌ただしく部屋を出ていった相手に指定されたカーペットの上にドカッと胡座をかいてぼんやりと思った。
ワイ女子の部屋入ったん初めてやわ。
そう意識した途端何だかソワソワしてきた。
いや、別に彼女とか好きな子な訳やないのに緊張したら可笑しいやろ。
普通にしとったらええねん。普通に。
いや、待てよ。女子の部屋で普通にってどうしとったらええんや。
ぐるぐると頭を抱えながら悩んでいるとふとベットヘッドの写真が目に付いた。
クロによく似た黒猫が気持ち良さそうにお腹を見せて寝ている写真。
『飼ってた猫に似てて、ほっとけなかっただけだから。』
初めてクロと百瀬に会った日の言葉を思い出した。
「…お前のことやったんやな。」
小さな声は誰に届くでもなく、消えた。
でも、写真の猫がこちらに微笑んでくれた、ような気がした。
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