中学時代。
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「うちに、寄っていきませんかっ。」
咄嗟に出た言葉は辺りに響いて消えた。
恐る恐る見上げた千堂くんは目を丸くして掴まれた腕を見ていた。
あっ、バカだ、私。
咄嗟に照れて手を離す。
でも、なんとかお礼がしたい。
ついでにもっと仲良くなれたら、なんて。
そんな下心が口と頭を必死に動かす材料になっていた。
「あ、いや、ほら、私のせいで千堂くん怪我させちゃったし、あと、前に約束したでしょ?猫に会って欲しいって、それもあるから、手当とあの、」
下手な言い訳。
自分で言っててわかる。
いや、わかってないのかも。
何を言いたいのか、言っているのか、纏まらなくなってきてしまった。
きっと千堂くんを困らせてしまっている。
「だから!その!友達になって欲しいの!」
自分でも吃驚するくらいの纏めしか出てこなかった。
しかも、下心丸出しだ。
もう嫌だ、穴があるなら入りたい。
いや、無くても掘って入りたい。
もういっそ逃走を図ろう。
足に力を込めたその時。
千堂くんの笑い声が聞こえた。
「ははっ、やっぱあんたオモロいなあ。友達申請オッケーや。それとそない言うならアイツにも会わして貰おか。」
パッと向日葵が咲いたような笑顔。
きゅうっと心地いい胸の締め付けを覚えながら「うんっ。」と精一杯返事をした。
いつもの帰り道は橙色の暖かさの中にほのかに金が散りばめられてキラキラしていた。