こっち向いて
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「おう、入れや。」
「ほなお邪魔します。」
武士さんに促され部屋に入る。
いつもより片付いてはいるものの、布団以外足の踏み場がなく、いつも通り布団の上に座った。
「なんや、なんか用か?」
「あっ、そうそう!武士さんのアドバイス通り相談してみてん。そしたら、色々調べてくれたりして、うち、やっぱり大学は行かん。看護学校にいく。」
「そか、えかったな。スッキリしたか?」
「うん、武士さんのお陰や。おおきに。」
「お前が困っとったらこんなん当たり前や。気にすなや。」
ぽんぽんと頭を撫でてくれる手も、笑顔もいつも通り優しい。
変わらないことが嬉しくもあり、悲しくも、切なくもある。
今なら言える気がする。
今しか言えない気がする。
深く息を吸い込んで、出来るだけ朗らかに。
「あとな、もう1つ話があんねん。」
「おう、なんや。何でも言うてみい。」
「うち、武士さんが好きやねん。本気で。」
その一言に場が静まり返る。
怖い怖い怖い怖い。
でも、ここで黙ったら、ここで引いてしまったら、変われない。
いつまでも、妹のままだ。
自分を奮い立たせ必死に言葉を繋ぐ。
「ほんまにめっちゃ好きで、他の誰かに引かれたことなんて一度もあらへん。これからもそやと思う。せやから、私のこと、どうしても妹としてしか見れんなら思い切り振って欲しい。」
武士さんは黙ったまま。
怖くて顔が見れない。
「もし、可能性があるなら、うちはこっちの看護学校に通おうと思てて。無いんやったら、東京の看護学校に通うつもりや。…それくらいせんと、いつまでも武士さん以外見れんから。」
アカン、泣きそう。
「やから、返事は今や無くてええ。また、聞きに来るわ。ほなな。」
今にも泣きそうな震えた声で伝えるだけ伝えて逃げるように立ち上がった。
瞬間腕を掴まれた。
