コラボ作品

??『・・・で、今度は何だ?』
??『何よ、そのリアクション!どうせ《やれやれ、また厄介事のお出ましだ》とか思ってるんでしょ?』

スマホのスピーカーからうんざりしたような男性の声が聞こえてくる。
男女問わず知り合いはそれなりに多い私《幼なじみ》だが、年齢ばかりか本名すら知らないのは彼一人だけだ。

??『正解だ。賞品は・・・』
幼なじみ『教団のグッズならいらない。あ、でもキャラクター関連なら』

そして年齢&本名不明のクキカワが所属するカルト教団。
以前からグラビアアイドルを広告塔に使っていたらしいのだが、最近では二次元の女の子・・・つまり萌えキャラのグッズで若い男性の信者を獲得しているらしい。

クキカワ『売るなら足が付かないようにやった方が良いぞ。最近では上層部が目を光らせてる。以前にもネットオークションで荒稼ぎしようとした元信者が(以下略)』
幼なじみ『・・・』

クキカワ曰く、以前にアダルトゲームか何かを手掛けた事もあるイラストレーターが別名義で描いているとの事だった。
それにしてもさっきのリアクション、(一応)女の子からの御指名なのだから多少は嬉しそうにするとかできないものだろうか。

クキカワ『キミ、というより周りの人間に原因があるのだろうな』
幼なじみ『・・・だから、私や主人公君がトラブルメーカー扱いをされると』
クキカワ『頑張りたまえ』
幼なじみ『・・・』

アンタもその原因の一人じゃないのか?
・・・と言いたくなったが、いつまでたっても本題に入れそうにないので口には出さなかった。



クキカワ『・・・何だって?』

先程とは違う、真剣味を帯びた声。

幼なじみ『うん、それで私の友達のヒカリちゃんが』
クキカワ『学校名、もう一度良いか?』
幼なじみ『えっと・・・天空中央(てんくうちゅうおう)高校。最寄りの駅は』
クキカワ『明日朝イチで向かうぞ』
幼なじみ『でも・・・』

急に態度が変わった事にビックリした。
明日は常磐線某所の唐揚げうどんを食べに行くとか言ってたのに。
スーパーで売ってる惣菜の唐揚げの4倍近い大きさらしい。

クキカワ『それは済んでからの楽しみに取っておこう。そっちも面子を集めてくれ』
幼なじみ『でも先輩、明日は凄い人達が何百人も集まるパーティーに・・・』

そして今日は、そのパーティーの前夜祭らしい。

クキカワ『私に言った事をチート女にも伝えろ。間違いなく来るはずだ。では』
幼なじみ『あ、ちょっと!』

一方的に電話は切れた。
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