コラボ作品
ボールという物に触れたのは何年ぶりだろうか。
少し薄汚れた軟球は、ほぼイメージした通りの軌道を描いて子供のグラブに収まった。
ダイレクトに投げ返そうかとも思ったが、子供の方がびっくりしてグラブを引いてしまう可能性もある。
クキカワ『・・・』
あの女どもなら思い切り投げても難なくキャッチするだろう。
そして、それ以上のボールが返ってくるに違いない。
そんな事を考えてるうちに、ロー●ンの前に差し掛かった。
駐車場の前に来た、その時だった。
クキカワ『ぐ・・・』
風が吹いてきた。
砂か何かが飛んできたように感じ、反射的に目を瞑る。
いつまでそうしていただろうか。
風の音は聞こえない。
恐る恐る目を開けてみた。
クキカワ『な・・・』
ロー●ンの前ではなく、何かの建物の中にいた。
辺りを見回してみる。
クキカワ『・・・』
これは・・・ラジオか何かの収録スタジオだろう。
ただ、記憶には無い。
教団の宣伝を流すスタジオとも、かなり前にゲスト出演したラジオ局の物とも違う。
??『すみませーん、お待たせしました!』
セーラー服を着た女子高生が現れた。
BMSの連中が通っている高校とは、明らかに違う制服だ。
??『えっと・・・すごいメイクですね』
クキカワ『あ、ああ・・・』
??『ただ、これってラジオなので音声だけになっちゃうんですよ』
クキカワ『・・・そうか』
何となく、話し方や仕草に気品が感じられる。
もしかして、どこか良い所の令嬢なのかもしれない。
??『あ・・・でもでも、せっかくなので先生と3人で記念撮影しましょう』
クキカワ『先生?』
??『確か・・・お会いした事ありますよね?伊勢崎さんの件で・・・あ、先生』
スタジオのドアがガチャンと開き、もう一人の女性が出てきた。
??『ユリー、ここのやり取りだけど・・・な!?』
こちらを見て硬直している。
歳は20代中盤くらいだろうか。
先程まで共に行動していた少年・・・その彼女以上に出るとこ出ているが、それ程太っている訳ではない。
ユリ『ほ、ほら・・・キクカワさん気合の入ったメークしてきてます』
??『あ、ああ・・・こりゃまた凄いな・・・』
ただ・・・髪はボサボサで、最低限の化粧こそしているものの目ヤニまで付いている。
残念な美人と表現するのが相応しいだろう。
ユリ『じゃあ、先生はこっちで・・・キクカワさんはそちらにお願いします』
??『あい分かった』
クキカワ『・・・』
ユリと呼ばれた女子高生、そしてスタイル抜群なのに目ヤニ+ボサボサ頭の残念な美人と共にラジオ局のスタジオらしき部屋に入った。
周囲を見渡してみる。
間違いなく、ラジオ放送のスタジオだ。
ユリ『それじゃあリハいってみましょう』
??『おう』
グラビアアイドルなら、(仮にラジオ収録でも)もっと身だしなみに気を使っているはずだ。
広告塔の女性信者ではないかと思ったが、見覚えはない。
ユリ『最初は私と先生で進行します』
そして、いくら反社会的な教団といえども女子高生を働かせているような話は聞いた事がなかった。
そんな事が明るみになったら、一発でアウトだ。
こんな事(ラジオ)をさせている時点で、危険極まりない。
??『しばらくしてキクカワさんがゲスト出演する訳だな』
クキカワ『・・・』
手元の資料を見てみる。
セリフ欄の上に《ユリ》《なつき》《菊川》とあった。
女子高生が《ユリ》なので、先生と呼ばれているこの残念な巨乳女がおそらく《なつき》。
そしてこの二人は、私を《菊川》と勘違いしているようだ。
【選択肢】
⇒スタジオから出る
リハーサルを続ける
少し薄汚れた軟球は、ほぼイメージした通りの軌道を描いて子供のグラブに収まった。
ダイレクトに投げ返そうかとも思ったが、子供の方がびっくりしてグラブを引いてしまう可能性もある。
クキカワ『・・・』
あの女どもなら思い切り投げても難なくキャッチするだろう。
そして、それ以上のボールが返ってくるに違いない。
そんな事を考えてるうちに、ロー●ンの前に差し掛かった。
駐車場の前に来た、その時だった。
クキカワ『ぐ・・・』
風が吹いてきた。
砂か何かが飛んできたように感じ、反射的に目を瞑る。
いつまでそうしていただろうか。
風の音は聞こえない。
恐る恐る目を開けてみた。
クキカワ『な・・・』
ロー●ンの前ではなく、何かの建物の中にいた。
辺りを見回してみる。
クキカワ『・・・』
これは・・・ラジオか何かの収録スタジオだろう。
ただ、記憶には無い。
教団の宣伝を流すスタジオとも、かなり前にゲスト出演したラジオ局の物とも違う。
??『すみませーん、お待たせしました!』
セーラー服を着た女子高生が現れた。
BMSの連中が通っている高校とは、明らかに違う制服だ。
??『えっと・・・すごいメイクですね』
クキカワ『あ、ああ・・・』
??『ただ、これってラジオなので音声だけになっちゃうんですよ』
クキカワ『・・・そうか』
何となく、話し方や仕草に気品が感じられる。
もしかして、どこか良い所の令嬢なのかもしれない。
??『あ・・・でもでも、せっかくなので先生と3人で記念撮影しましょう』
クキカワ『先生?』
??『確か・・・お会いした事ありますよね?伊勢崎さんの件で・・・あ、先生』
スタジオのドアがガチャンと開き、もう一人の女性が出てきた。
??『ユリー、ここのやり取りだけど・・・な!?』
こちらを見て硬直している。
歳は20代中盤くらいだろうか。
先程まで共に行動していた少年・・・その彼女以上に出るとこ出ているが、それ程太っている訳ではない。
ユリ『ほ、ほら・・・キクカワさん気合の入ったメークしてきてます』
??『あ、ああ・・・こりゃまた凄いな・・・』
ただ・・・髪はボサボサで、最低限の化粧こそしているものの目ヤニまで付いている。
残念な美人と表現するのが相応しいだろう。
ユリ『じゃあ、先生はこっちで・・・キクカワさんはそちらにお願いします』
??『あい分かった』
クキカワ『・・・』
ユリと呼ばれた女子高生、そしてスタイル抜群なのに目ヤニ+ボサボサ頭の残念な美人と共にラジオ局のスタジオらしき部屋に入った。
周囲を見渡してみる。
間違いなく、ラジオ放送のスタジオだ。
ユリ『それじゃあリハいってみましょう』
??『おう』
グラビアアイドルなら、(仮にラジオ収録でも)もっと身だしなみに気を使っているはずだ。
広告塔の女性信者ではないかと思ったが、見覚えはない。
ユリ『最初は私と先生で進行します』
そして、いくら反社会的な教団といえども女子高生を働かせているような話は聞いた事がなかった。
そんな事が明るみになったら、一発でアウトだ。
こんな事(ラジオ)をさせている時点で、危険極まりない。
??『しばらくしてキクカワさんがゲスト出演する訳だな』
クキカワ『・・・』
手元の資料を見てみる。
セリフ欄の上に《ユリ》《なつき》《菊川》とあった。
女子高生が《ユリ》なので、先生と呼ばれているこの残念な巨乳女がおそらく《なつき》。
そしてこの二人は、私を《菊川》と勘違いしているようだ。
【選択肢】
⇒スタジオから出る
リハーサルを続ける