ライバル『あ、おっはよー♪』
彼女『おはようございます・・・別人のように干からびてるわね』
幼なじみ『はい・・・』

少年が『大丈夫ですか？』と聞いてくる。
これが大丈夫に見えるのか？
そう言おうと思ったが、声が出なかった。

オカルト女『ゆうべはおたのしみでしたね』
幼なじみ『あー、私が言おうとしてたのにー・・・！』



クキカワ『・・・』
幼なじみ『えっと・・・大変だったね』
クキカワ『・・・全くだ。しばらくは、女の顔を見るのすら嫌になったからな』

幼なじみ『でもさー、《ライバル》さんってルックスは綺麗だしスタイルも中々だよね』
クキカワ『中身はとんでもないけどな』
幼なじみ『男性ファンにも凄い人気らしいし』
クキカワ『本性を教えてやったら、きっとドン引きだろうな』

幼なじみ『ぶっちゃけさー、気持ち良くなかったの？』
クキカワ『・・・何の話だ？』
幼なじみ『あの後掃除させられたし、それ位教えてくれてもいいんじゃない？』
クキカワ『・・・』
幼なじみ『で、どうだった？気持ち良かった？』
クキカワ『まあ・・・最初の一回はな』
幼なじみ『うげっ・・・何マジメに答えちゃってるの？超ドン引きー・・・』

クキカワ『・・・ならば、どう答えればよい？』
幼なじみ『え？そうだね～・・・気持ち良かったよぉ、ハァハァ(;´Д｀)とか？』
クキカワ『そっちの方がキモいだろう』
幼なじみ『確かに・・・』



クキカワ『とまあ、そんな訳で《人ならざる者》となった私の過去、お楽しみ頂けたら幸いだ』
幼なじみ『そもそも、どうしてそうなった訳？』
クキカワ『それを聞くか・・・？』
幼なじみ『うん、オカルトちゃんに聞いても誤魔化すだけだし・・・』
クキカワ『・・・』

幼なじみ『・・・まさか《ライバル》さんとしてたような事、オカルトちゃんともしてたりとかないよね？』
クキカワ『普通に捕まるからな』
幼なじみ『何を今さら・・・って、私達もだけど』
クキカワ『そもそも《NEXT Spring》で書いてあるだろう』
幼なじみ『そっか、それでその後・・・』
クキカワ『無いから』
幼なじみ『どうして？』
クキカワ『公園どころか近隣一帯がメチャクチャになったからな。人ごみに乗じてアレ(オカルト電波少女)を逃がすだけで精一杯だった』
幼なじみ『当然、通報されるよね・・・』

クキカワ『せっかくの機会だ、キミも《人ならざる者》になってみないか？』
幼なじみ『社会的にドロップアウトしている私に、人間からもドロップアウトしろと？』
クキカワ『周りはそういう連中ばかりだろう』
幼なじみ『言われてみれば・・・確かに』

クキカワ『キミにオススメなのは、そうだな・・・これなんてどうだ？』
幼なじみ『きゅ、吸血鬼？』
クキカワ『そうだ、吸血鬼だ。原作でもお馴染みだぞ』
幼なじみ『そうだけどさ・・・』
クキカワ『知り合いにも何人かいるぞ。今度紹介・・・』
幼なじみ『しなくていい！』



幼なじみ『吸血鬼に知り合いがいる事自体、普通ありえないでしょ！？』
クキカワ『いや・・・普段はわりと良い奴らだぞ。たまに血を吸う位で』
幼なじみ『その時点で既に・・・あ、でも』
クキカワ『どうした？』

幼なじみ『吸血鬼の件だけど、資料だけでも・・・』
クキカワ『あるにはあるが、どういう風の吹き回しだ？』
幼なじみ『いや、だってさ・・・主人公君をチューッと』
クキカワ『・・・』
幼なじみ『そうだ！血だけじゃなく(中略)とか、(検閲により削除)とか・・・』
クキカワ『・・・』
幼なじみ『想像したらヨダレが・・・デヘヘ』
クキカワ『おい・・・戻ってこい』
幼なじみ『はっ！？私は何を・・・』

クキカワ『いいか、仮にキミが少年の血とか色々な物を吸ったとしよう』
幼なじみ『うんうん・・・ウヘへ』
クキカワ『その後に想定される事態を考えてみたまえ』
幼なじみ『あ、そうか。怒り狂った先輩が・・・』
クキカワ『その通り。既に人外の存在であるチート女にとって、吸血鬼の一人や二人・・・ものの数に入らんぞ』
幼なじみ『逆に片っ端から血ぃ吸われそう・・・』
クキカワ『それであの女が吸血鬼化してみろ、人類は終わりだ』
幼なじみ『それもそうだね。じゃあ吸血鬼はナシの方向で』
彼女『的確な判断ね』
幼なじみ＆クキカワ『『・・・ヒッ！？』』