ばきメモソルジャー

【第15話 蘇る伝説】

いや、進み過ぎでしょ・・・

ライバル『・・・ぐうっ!?このっ!!』
彼女『落ちなさい!』

いつの間にか舞台も宇宙になってるし。

オカルト女『修理します』
ライバル『助かったわ、ありがと』
妹『ゴメン、こっちも!』
幼なじみ『だったら《信頼》!主人公君、次はあれ狙って!!』

サブパイロットの幼なじみが示した敵に狙いを定める。
2連装ビームキャノンを・・・

幼なじみ『あ・・・』

外してしまった。
ステージが進むにつれ、敵の機体は硬くなりさらに素早くなる。

妹『《集中》で・・・ええーい!!』
彼女『仕方ない・・・《鉄壁》使うわ』

序盤はほぼ無敵状態だったこのBトルーパー(バキンガーVの小型量産試作機らしい)も、ステージが進むにつれて苦しくなってきた。
機体や武器を効率良く改造し、さらには精神コマンドと呼ばれる魔法のような物を上手く使いこなす事が重要になってくる。

幼なじみ『主人公君、前に出て!』
オカルト女『あ・・・すみません!』
妹『もらった!』
彼女『続けてもう一撃!』

場合によっては攻撃を代わりに受けたり、味方に続いてさらに攻撃を加えたりといった戦術も必要だ。



ライバル『また増援?そろそろ持たないわよ!』
オカルト女『さらに未確認機接近!艦船クラスです!!』
妹『・・・艦砲射撃?』

現れた敵の増援に突然ビームの雨嵐が浴びせられ、次々と爆散していく。

彼女『味方・・・なの?』
『そうよ。助けに来たわ』

女の声で通信が入る共に、巨大な艦船が姿を現した。
ガン●ムの世界に出てくるような母艦に似ている。

幼なじみ『助かった~・・・』
『この戦艦の火力をもってすれば、こんな連中・・・』

ビームやミサイル、機銃等を駆使して敵を次々と撃破している。
実に頼もしい。



・・・だが。

ライバル『その艦、前に出過ぎじゃない?』
彼女『え?あ・・・!』

一瞬の事だった。
弾幕をすり抜けた敵機が肉薄。
放ったビームが艦のブリッジを貫いた。

オカルト女『なんて事・・・!』
幼なじみ『あ・・・あ・・・!』

すぐ隣の幼なじみが、ガタガタと震えている。
歯を食いしばり、近くの敵に狙いを定める。
今度は見事に命中、撃破した。
幼なじみを落ち着けようとした、その時だった。

妹『こうなったら、接近戦で・・・え?』
彼女『手・・・かしら?』

先程ブリッジを破壊された艦から手のような物が2本、不自然に伸びてきた。
ウニョン、といった感じで出てきたその手は先程ブリッジを破壊した敵機とさらに近くにいたもう一機を掴む。
動けなくなった所で機銃が浴びせられる。
そしてポイッと投げ捨てられ、爆散した。

ライバル『へえ、やるわね』
オカルト女『でもどうして・・・』
『ダミーのブリッジに決まってるでしょ。あんな所じゃ危なくてやってられないわよ』

再び聞こえた通信に、一同は胸を撫で下ろした。



『教団の科学力、甘く見るからこうなるのよ』

さらに肉薄してきた2機を手のような物で掴み、機銃を浴びせ撃破した。

オカルト女『まさかその艦・・・』
『そうよ。ヴォルクッキーちゃんの、唯一残ってたコアの部分を取り入れてるわ』
幼なじみ『それ、一番使っちゃダメな所じゃ・・・』
妹『確かに・・・』

2話の恐怖が蘇る。
とはいえ、態勢を立て直す事ができたのは事実だった。
オカルト電波少女機により次々と修理され、HPはほぼ満タン状態だ。

『とは言っても、まだ多いわね・・・頼むわ』
??『分かった・・・出るぞ』

カタパルトのハッチが開き、機体が飛び出してきた。
ライバル機に接近しようとしていた敵機と、さらにもう一機を撃破した。



彼女『その機体・・・Bオリジナル、略してBO(ビオ)ね』
??『ああ、レプリカだかな』

聞き覚えのある声だ。
つまり、あれに乗っているのは・・・

オカルト女『クキカワ・・・』
ライバル『確かに量産機っぽく塗り替えられてるわね。でもあんな動き、量産クラスじゃできないでしょ?』
クキカワ『フ・・・これも教団の力だ』
幼なじみ『あの・・・話が見えないんだけど』

確かに。
現時点で分かってるのは、あの機体に乗っているのがクキカワだという事くらいだ。

妹『前に皆が乗ってたバキンガーVと、今乗ってるBトルーパーあるでしょ?それの元になった機体がアレなの』
ライバル『公式では抹消されてるからね。表向きには、バキンガーVの量産試作機がBトルーパーって事になってるわ』
クキカワ『さすがに詳しいな。年の功ってやつか?』
ライバル『・・・宇宙の塵になりたい?』
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