ばきメモソルジャー

彼女『・・・』

唇を噛み、苦悶の表情を浮かべている。
クキカワに何やら耳打ちされてから、しばらくこんな感じだ。
例え生徒会で重大な問題が起きた時でも、常にポーカーフェイスで解決してきた彼女のこういった顔を見るのは初めてだった。

彼女『・・・』
オカルト女『あの・・・会長さん?』

そして、さらに数分後。
彼女の口から発せられたのは衝撃的な言葉だった。

彼女『教団に・・・協力します』
オカルト女『・・・分かりました』

驚くオレに対し、渋々ながらも納得・・・といった表情のオカルト電波少女。

クキカワ『おお、よく言ったぞチート女。新たな仲間を心から歓迎しよう』
彼女『貴方ねぇ、元はと言えば・・・』
クキカワ『私を殴りたければ殴るが・・・グホッ!!』
オカルト女『あ・・・』

言い終わるよりも早く、彼女の正拳がクキカワの顔面に炸裂した。
先程オレが喰らったチンピラナンパ男のパンチよりも数倍痛そうなのは、言うまでもない。

クキカワ『・・・こういう時は殴ろうとしても、寸前で思い留まるのがお約束じゃないのか?』
彼女『知るかボケ!●ねカルト男!!』

よろよろと起き上がったクキカワに、さらに暴言と足蹴の雨あられを浴びせている。
学校の関係者が見たら驚くだろうな。

オカルト女『ですね・・・フフ』
彼女『さ、全員潰れるまで飲ますわよ』

いや・・・《ライバル》さん以外、全員未成年だけど。
制止しようとした所で、オカルト電波少女に肩を叩かれた。

オカルト女『今夜くらいは・・・ね?』

まあ、彼女の気持ちも分からなくない。
それに今更、未成年どうこうを気にしても遅いだろう。



彼女『教団に仇なす愚か者に』
ライバル『制裁を!』
オカルト女『そしてこの燃えさかる炎が、教団繁栄の』
幼なじみ『ひ、光となる・・・』

割とノリノリな3人に対して、幼なじみだけがオレに対して『どうして?どうしてこうなるの?』と訴えかけるような視線を向けてくる。
どうしてこうなったのか、それはオレが知りたい。

クキカワ『と、そういう訳だ。教団に逆らう事の危険性を焼き付けただろう』

焼き付けるどころか、完全に焼け落ちていますけど。

彼女『って、何で貴方がまとめてるのよ!?』
クキカワ『いや、流れ的に・・・』

BMSのメンバーが教団に協力する事になって、数ヶ月が経つ。
道場付きの雑居ビルを売り払い、拠点を転々とする日々にもようやく慣れてきた。

ライバル『ほら、そろそろズラかるわよ。美味しい物でも食べて帰りましょう』
オカルト女『そうですね』
幼なじみ『はあ・・・』

焼け落ちていく建物を見ながらオレは思った。
まともな生活に戻るの・・・いつになるのかな?



ユリ&なつき『『あーあ・・・』』

ユリ『入信しちゃいましたねー・・・』
なつき『揃いも揃ってな・・・』
ユリ『そして通行人の皆さん、お気の毒に・・・』
なつき『つーか、まともな生活に戻るの無理だろ・・・』
ユリ『ですよね・・・』

なつき『それで、エンディングは後いくつだ?』
ユリ『ええと・・・残りは2つですね。まずは《ライバル》さんと組み手をしてみて下さい』
なつき『嫌な予感しかしないけどな・・・』
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