ばきメモソルジャー

ライバル『クキカワは?』
彼女『拘束しました。拷問・・・ではなく、尋問はどうしますか?』
ライバル『追って連絡するわ』
彼女『了解です』

正直、生きた心地がしなかった。
ミサイルが弾切れだったので、使える武器は射程2の機銃のみ。
確実によけられるとはいえ、すぐ横を触手やビームが通り過ぎていくのは恐怖以外の何物でもない。

オカルト女『お疲れ様・・・』
幼なじみ『大丈夫?』

力なく頷く。
コクピットから出ようとするも腰に力が入らず、彼女と幼なじみの2人がかりでようやく外に出る事ができた。

妹『みんなー、ちょっといい?』

彼女の双子の妹。
今、オレ達は山の中にある秘密基地みたいな所にいる。
妹の機体に先導され、何とかここまで辿り着いた。
ちなみにクキカワは、彼女の機体にロープで固定した状態で運んできたので全身ボロボロだった。
着地した途端にカラスが多数飛んできて、追い払うのに苦労したらしい。



妹『《ライバル》さんは、この緑色ね。長距離からの精密射撃に特化してます』
ライバル『よっしゃ。ばんばんクリティカル出しちゃうわよー』

先程、妹が乗ってきたのと同じようなガンメタリックカラーの機体が5台並んでいた。
バキンガーVの小型量産試作機、Bトルーパーと呼ばれる物らしい。
右肩がそれぞれ違う色に染められており、よく見ると細部の形状が異なっている。
《ライバル》さんの緑色の機体は、スナイパーのようなスコープ付のライフルを持っていた。

妹『幼なじみちゃんはこの白いの。もっとも基本的な装備で、あらゆる場面に対応できます』
幼なじみ『ある意味没個性だよね・・・。あ、でも何か愛着涌いてきた。強化パーツ付けちゃおーっと』

右肩が白く染められた《幼なじみ》の機体が、もっとも基本的な装備らしい。
手に持ったライフルも、《ライバル》さんの機体に比べると小型だが、その分取り回しが利くのだろう。
バキンガーVに合体する戦闘機5体は、しばらく使用不可となった。
お約束の展開だ。

妹『彼氏君はこの青いの。増加装甲と固定式の2連装ビームキャノンで、防御力と攻撃力を強化してます』
彼女『その分、小回りは利かなそうね・・・』

確かに。
増加装甲とやらで、全体的にゴツゴツした印象だ。

妹『うーん・・・でも彼氏君がやられちゃうとゲームオーバーだから、システム的にはこれが一番合うと思うな?』
オカルト女『食らう時は食らいますからね・・・』

場合によっては、壁役になる事も必要だろう。

妹『うん。ただ・・・防御力があるって言っても、みんなが乗ってたバキンガー程じゃないから過信はしないでね』
彼女『《ひらめき》の使い所が肝心ね』



妹『オカルトちゃんは、紫の機体。修理装置があるけど、その分武装は少ないから直接の戦闘は避けてね』
オカルト女『分かりました。後方支援に徹します』

オカルト電波少女に充てられた紫の機体は、他と違ってライフルを持っていない。
背中に大型のセンサーがあるので、修理以外に情報収集にも特化されているのだろう。

妹『最後にお姉ちゃんは、私が乗ってきた赤いの。指揮官用にカスタマイズされた、高機動型の機体だよ。まあ、その分コストは高いけどね』
幼なじみ『HP回復できるのしか無かった~・・・』
ライバル『まだ始まったばかりだからね。高性能レーダー手に入らないかな?』

パーツ漁りに行ってた、幼なじみとライバルさんが戻ってきた。

妹『3倍・・・とまではいかないけど、かなりピーキーな性能だから。気力を上げれば強力な連続攻撃が使えるけど、ENの残量には気を付けてね』

ボス戦では必須だろう。

彼女『それは有り難いけど・・・貴女は?』
妹『ふっふっふ~、実は・・・』
ライバル『実は?』
妹『彼氏君の機体を、複座式に改造しちゃったのだー!』

オレの機体(増加装甲仕様)だけ、2人乗りなのか。

妹『操作のイロハを手取り足取り・・・狭いコクピットで2人は・・・イヤン★』
彼女『・・・やはり赤い機体は貴女にこそ相応しいわ』
幼なじみ『いーや、先輩にしても妹さんにしても戦力的に重要です。《信頼》の後に《集中》《努力》《加速》とバランス良く精神コマンドを覚える私こそ・・・』
ライバル『教官の私が彼氏君を指導します。テクニックを駆使・・・ではなく伝授するわよ』
オカルト女『私の機体に妹さんが乗れば、攻撃役としても使えるようになると思いますけど・・・』
妹『じゃあ仕方ないから、各ステージごとに彼氏君に選んでもらおっか。私は余った機体に乗るから。あ、もちろん私を選んでくれたらあんな事やこんな事も・・・』



ユリ『うーん・・・誰にしようかなー?戦力的に考えると《幼なじみ》か《オカルト電波少女》だけど、ストーリーにも影響しそうだし・・・』
なつき『そもそもゲーム違うだろ・・・コレ』
ユリ『パワプロじゃなくてスパ●ボですよね、完全に』
なつき『《バキンガーV》ねえ・・・』
ユリ『後半辺りから使えるようになるんじゃないですか?』
なつき『それまでは苦労しそうだな』

ユリ『と、そんな訳で今回は番外編です。いかがでしたか?』
なつき『知らない人には全く分からないだろうな』
ユリ『確かに・・・』
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