ばきメモ2、ばきメモスタジアム

昼休みになった。
一人の女子生徒が教室に入って来る。
そしてオレの姿を見ると、嬉しそうに顔を綻ばせた。

『来ちゃった♪』

周囲からの羨望と嫉妬に満ちた視線が心地良い。
一学年先輩で、先日卒業式を迎えたオレの彼女だ。

『えへ♪』

そのまま机に腰掛けてくる。
目の前のお尻につい目が行ってしまう。

『ねえ・・・今日何の日か知ってる?』

今日?そういえば・・・

ホワイトデー
誕生日
あの日



それとなく腕時計を見てみる。

《3.14》

液晶画面にはそう表示されていた。
そしてその日は・・・

『ねえ・・・今日は何日?』

気まずくなり、回りを見てみる。
オレの周りから人が離れていく。
何人かは『あ~あ・・・』と言いたげな表情でこちらを見ていたり、手を合わせて拝んでくる輩までいた。

『何、やってるのよ・・・』

呆れ顔の幼なじみ(初代ばきメモのメインヒロイン)。
あれ、彼女がいない?

『とっくに行ったわよ。それと伝言。《放課後、校舎裏に来て》だって。頑張ってね~』

手をヒラヒラさせ、幼なじみは去っていった。

放課後へ


誕生日?

『・・・それは7月』

そうだった。
ちなみに今日はホワイトデー。
もちろん忘れていた。

『そういえば、そっち(誕生日)も忘れてたよね・・・ハァ』

気まずくなり、周りを見てみる。
《墓穴掘っちまったな・・・》とでも言いたげな表情のクラスメイトがこちらを見ていた。

『どんだけ記憶力悪いのよ。病院紹介しよっか?』

汚らわしい物でも見ているような顔の幼なじみ(初代ばきメモのメインヒロイン)。
そういえば、彼女がいない。

『とっくに行ったわよ。それと伝言。《放課後、校舎裏に来て》だって。・・・そろそろゲージヤバいんじゃない?』

メタな事を言い残し、幼なじみは去っていった。

放課後へ



言い終わるよりも早く、ドスッと鈍い音がした。
あの・・・ヒッ!!と情けない声を出してしまう。
机にボールペンが刺さっており、煙が出ていた。

『・・・それは先週』

全く抑揚の無いで彼女が言った。
そうだった。
いつになく苛立っていた彼女に呼び出され・・・そして、成す術も無くぶちのめされた。

『・・・で、今日は?』

そういえば今日は3月14日。
今、思い出した。
昨日までは忘れていたので、当然用意していない。

居たたまれなくなり、周りを見てみる。
クラスの女子達が嫌悪感に満ちた視線をオレに向けていた。

『・・・サイッテー』

それは幼なじみ(初代ばきメモのメインヒロイン)も例外ではない。
と、そこで彼女がいなくなっているのに気付く。

『とっくに行ったわよ。それと伝言。《放課後、校舎裏に来て》だって。今までありがと。キミの事は忘れないよ、多分』

絶望的な台詞を残し、幼なじみは去っていった。

放課後へ
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