ばきメモ2、ばきメモスタジアム

彼女はナース、つまり看護師の姿だった。

『似合ってる?』

もちろん。
正直たまりません。

『よし・・・じゃあ、バトル開始。行くわよ!』

そして、最後の戦いが始まり

『残念だったわね』

無様に敗北した。
組み伏せられ、腕をロックされている。
周囲のギャラリーからは、

『あーあ、今月のバイト代が・・・もうちょっと粘れよなー』
『やった!あー、でもオッズ低いんだよね』

などと、悲喜こもごもの声があがっている。

『さてと・・・』

そうだ。
これでオレの《ばきばきゲージ》は0になる。
腕があらぬ方向へ極められる、その瞬間を待った。

『・・・なんてね』

え?
一体どういう事だろう。

『ゲージ・・・もう残ってないんでしょ?』

知っていたのか。

『幼なじみのあの娘に言われたわ。次、貴方が負けたら最初からやり直しだって』

何というメタ発言。
でも考えてみれば、今までセーブしてなかった。

『それに・・・』

彼女がオレの《それ》に触れ、顔を赤らめる。
欲情しているというよりは、生命の危機を感じているからといった方が正しい。

押さえつける
なだめる



押さえつける・・・というより、彼女の頬に手を当てた。

『うん・・・続きは私の部屋でね?』

そしてオレは、大人の階段を上った。

次へ(勝利エンド)
リトライ



『あ、そういえばね・・・』

彼女が懐から小さなケースを出した。
そして、その中には・・・

『私・・・今、とある博士の所でバイトしてるの』

鮮やかな色をした液体の入った注射器が入っていた。

『ダイ・・・何とかって博士』

その名前を聞いた途端、身体の震えが止まらなくなった。
とてつもなく嫌な予感がする。
明らかに危険過ぎるフラグだ。

『逃げるの?無駄だって分かってるでしょ』

片手をオレの腕を極め、片手で注射器を取り出す。
妙に手際が良かった。

『大丈夫よ。ちょっとレポートを提出するだけで、大金が手に入る・・・こんな美味しいバイトは無いわ』
『ですよねー?今まで真面目にバイトしてたのが馬鹿みたい』

もう一人、ナースの格好をした幼なじみが現れた。
これはこれでなかなか・・・とか言っている場合ではない。

『お願い』
『はーい。すぐ終わるから我慢してね』

幼なじみが口にガムテープを貼り付けてくる。
これでは助けも呼べない。
万事休すだ。

『やるわよ・・・カメラ回して』
『はーい・・・ドキドキ』

そして・・・注射針がオレの腕を貫いた。

次へ(敗北エンド)
リトライ
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