西条『あれ？お客さんだ。いらっしゃいませー！』

城咲『・・・いらっしゃいませ。お一人様でしょうか？』

西条『みたいだね。店長も買い出し行っちゃったし、今夜は特別に美女軍団二人がお相手してあげましょう。ささ、こちらのお席にどうぞ』

城咲『美女軍団って・・・』

西条『ほら、円も隣座って。とりあえずお冷やを・・・キャッ！』

城咲『美月？』

西条『ご、ごめんなさい・・・』

城咲『・・・ごめんなさいね。お客さんの服は濡れてなくて良かったわ』

西条『でも私の服が・・・』

城咲『・・・せっかくだし、サービスしてあげたら？拍手の御礼って事で』

西条『そうだね・・・ハァ』

城咲『・・・冗談に決まってるでしょ？早く着替えてきなさい』

西条『は～い・・・』

城咲『本当にごめんなさいね。私達、野球の女子リーグに所属しているんですけど、ちょっとこの前の試合で・・・』

西条『お待たせ～・・・』

城咲『・・・美月』

西条『・・・鏡？え、どっかおかしいの・・・って、着るの忘れたぁぁぁー！！』

城咲『・・・重傷ね』

西条『ごめんなさい・・・すっかり目が覚めました』

城咲『・・・美月、ちょっと引きずり過ぎじゃない？』

西条『だって・・・』

城咲『まあ、焦る気持ちは分かるけど・・・』

西条『大暴投の後、さらにエラー２回・・・このままじゃ私も・・・』

城咲『彼、リトルで一緒だったのよね？移籍先見つかって良かったじゃない』

西条『うん・・・。連絡しようにも、連絡先知らないし・・・』

城咲『ファンレターでも出したら？』

西条『それは照れ臭いかな？あ、すみません・・・リトルで一緒だった男の子がプロにいるんですよ。名前は・・・』

西条『そうです。打つには打つんですけど、ちょっとエラーと三振が・・・』

城咲『確か、美月がエースで４番だったのよね？』

西条『懐かしいな～・・・。その頃から私、野球もプロレスも好きだったからね』

城咲『プロレスねえ・・・』

西条『新しい技覚えたら、とりあえず彼で試してたかな』

城咲『彼って、例の？』

西条『うん。ジャーマンとかパイルドライバーとかコブラツイストとかＳＴＦとか雪崩式(以下略)』

城咲『・・・』

西条『後はオリンピックの時期になると、一本背負いとか』

城咲『・・・競技違うし』

西条『何回、いや何十回泣かせたかな～・・・もう一人女の子がいたんだけど、必死に止めてきてね』

城咲『全然連絡取ってないんでしょ？』

西条『うん。でもそのうち、あの娘も一緒になって《ツープラトンー！》とかやってたな～』

城咲『トラウマになってないと良いけどね・・・』