21~24

ユリ『台本台本・・・これじゃなくて・・・ありました』
なつき『さっきのノートは何だ?』
ユリ『市販のノートデスヨ?』
なつき『・・・《ユリのとき★めき観察日記》とかいう物騒な文字が見えたのだが』
ユリ『見てみます?』
なつき『トラウマになりそうだからいい』
ユリ『それは残念』
なつき『・・・』

ユリ『ではまず表紙をめくって・・・女子選手の出場停止が解除された恋恋高校。そこで語られるもう1つのストーリー、《フラグ》を立てれば何かが起きる?彼女に隠された秘密とは?』
なつき『今のが概要?』
ユリ『はい。そしてこちらのシナリオでは、女性のイベキャラしかセットできません』
なつき『《フラグ》とやらに関係があるのか?』
ユリ『まあ半分は私の趣味ですけど』
なつき『・・・』

ユリ『学校ごとに独自のシステムがあるんですよ』
なつき『例えば?』
ユリ『練習せずにひたすら妄想したり、女の子から発せられるハートをゲットしたり、後は・・・血を吸ったりとかですね』
なつき『最後のは、人間やめてるのか?』
ユリ『吸血鬼らしいです』

なつき『・・・で、今回のシステムは』
ユリ『ずばり・・・《フラグ》です!』
なつき『そこで、概要に戻る訳か。そもそも《フラグ》ってどういう意味だっけ?』
ユリ『色々と意味はありますけど、こういったゲームの場合は女の子とのイベントが発生する条件が整った・・・みたいな状況で使われる事が多いです』
なつき『条件・・・ねえ』

ユリ『では、一つ具体的な例を出して説明したいと思います。この物語のもう一人の主人公である栗橋さん。ある日、マンションに帰るとずぶ濡れの萱島さんが待ってました・・・ジュルリ』
なつき『・・・』
ユリ『例えばここで、みずきさんか球団スタッフの富士崎さんにすぐ連絡したとしたらどうなっていたでしょうか?』
なつき『うーん・・・少なくとも、スキャンダルは避けられたんじゃないか?』
ユリ『その可能性は高いですね。ですが、美味しい思いはできなかったでしょう。つまり、《フラグ》消滅です・・・』
なつき『行動次第で変わる訳か』
ユリ『はい。そして具体的には言及しませんが、栗橋さんの行動によって《フラグ》が立って・・・いやむしろ《フラグ》だけではなく』
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