キャンプイン(栗橋)

目が覚めた。
朝になったようだ。

栗橋『うう・・・』

部屋を見てみる。
あちこちにビールの空き缶や菓子の袋、ピザのカートンが散乱している。
あのまま寝てしまったらしい。

奥居『・・・オイラみたいな・・・大スターを・・・』

奥居が床で寝ていた。
愛はタクシーで帰ったみたいで、メールが来ていた。
『素敵な夜をありがとうございましたっ!』とあったので、即座に消去した。
奥居を足で小突く。

栗橋『起きろー』
奥居『・・・ぅ、ぅぉ・・・あれ、愛ちゃんは?』
栗橋『タクシーで帰ったって』
奥居『そっか・・・あー、頭イテー・・・』

昨日買ってきた烏龍茶を注いでやる。

奥居『悪リィな』
栗橋『5000円』

自分の分も注ぎ、一気に飲む。
多少、気分がスッキリしてきた。

奥居『高いわ!で、昨日の話の続きなんだけどよー』
栗橋『ああ・・・つーか手伝え』

片付けを始めた所で、奥居が話しかけてきた。

奥居『今度オメーが移籍するキャットハンズの本拠地の方で、偶然それっぽいの見たんだよな』
栗橋『妹か?』
奥居『おう。で、それから遠征の度に探してはいるんだけど、あれ以来見つかんなくてなー』

10年以上経っていれば、外見も変わっているだろう。
例外もいるが。

栗橋『機会があったら、聞いてみる』
奥居『頼むぜー』

そして片付けを(ほんの少しだけ)手伝い、奥居も帰っていった。
来年からは、コイツらと会う機会も少し減るだろう。

そう考えると、少しだけ何とも言えない気持ちになった。
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