妹たち(澄谷)

ユリ『下へ参りまーす』
??『・・・』

自宅にエレベーターがある家なんて初めて見た。

ユリ『地下一階でございまーす』
澄谷『・・・』

あと、地下のフロアも。

??『どこ・・・行くの?』
ユリ『うーん・・・歩きながら考える!』

聞くところによると、沙織は風呂場に行ってしまったらしい。

ユリ『いつも長いんだけど、今日はもっと長いんじゃないのかな?カレシさんが来たからね』
澄谷『・・・』
ユリ『何か暇そうだし、ユリ達が家の中を案内してあげるよ。行こっ』

と、いう流れで屋敷の中を案内してもらっている所だ。
これまでに見ただけも、学校にある位の広さの図書室や高そうな美術品や絵画等が飾ってある部屋、麻雀の台が置いてある部屋やシアタールームまでもがあり、とても一個人の家には見えなかった。
日本を代表する企業グループなので、これ位は造作も無い事かもしれないが。

ユリ『ここが見ての通り、トレーニングルームね』
澄谷『・・・』

ガラス越しにバイクが何台も並んでいるのが見える。
他にもマットやバーベル等も置いてあった。

ユリ『最近は何とかブードキャンプっていうのが、お手伝いさん達の間で流行ってるんだって』
澄谷『ああ、例の・・・』
ユリ『マサキお兄ちゃんも、お腹が気になってきたら使ってね・・・あ、こんにちはー』
澄谷『・・・こんにちは』
??『えっと・・・こんにちは』
『あら、こんにちは』

人の良さそうな初老の女性とすれ違う。

ユリ『今の人が富永さん。ユリが生まれる前から働いてるんだって』
??『・・・うん』

お手伝いさんとすれ違ったのは、今の人で5人目だ。
一体何人いるのだろうか?
日曜日のアニメ番組で見た豪邸を思い起こさせる。
7 / 16
18/27ページ