妹たち(澄谷)

澄谷『・・・』

一人になってから、名刺を取り出してみた。
独特の触り心地がするだけでなく、所々光っているのが見える。
試しに日光にかざしてみると、エンブレムのような物が浮かび上がってきた。
特殊なインクか何かだろうか?

名刺に記載されている名前は《二神昭仁(ふたかみあきひと)》。
先日、突然オレを呼び止め豪邸へと連れて行った人だ。
あの時、彼は《もし都合が悪ければ、一番右の番号に・・・》と言っていた。

《090》から始まる番号なので、向こうの携帯電話に繋がるのだろう。
携帯電話を取り出し一息付く。
間違えないよう、慎重にボタンを押していった。
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