妹たち(澄谷)



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Wataru Kurihashi
白亜の豪邸へ
屋敷の中も、外見同様に凄かった。
中に入ると、そこには拓哉のゲームで見たような広い玄関ホールが目に入った。

二神『どうぞ、こちらへ・・・』

二神さんに先導され、屋敷の廊下を歩く。
さすがにゾンビこそ出なかったが、所々にお手伝いさんらしき人がいてオレ達に対して頭を下げた。
そしてしばらくして、一つの部屋の前で立ち止まった。

二神『失礼致します。澄谷正己様をお連れしました。・・・かしこまりました。澄谷様、どうぞ』

ドアが開かれ、仰々しく手を差し出される。

澄谷『失礼します・・・』

頭を下げ、部屋に入った。
高級そうな応接セットがあり、ソファーに二人の男女が座っていた。
そのまま二人と目が合う形になる。
とりあえずもう一度、頭を下げる。
右側の女性が微笑し、軽く頭を下げた。

??『ああ、遠慮せずに掛けてくれ』
澄谷『失礼します・・・』

左側の男性に促される形で、ソファーに腰掛けた。
スラッとした感じの中年の男性だが、他者を圧倒するような雰囲気を醸し出している。
その顔に何となく見覚えがあった。
確か、テレビで政治家や財界人を呼んで討論する、そんな番組に出ていたような気がする。

??『澄谷君・・・だったかしら?何か驚かせちゃったみたいでゴメンね』
澄谷『い、いえ・・・』

右側の女性は、男性よりも一回り年下に見えた。
ウェーブがかかった茶色の髪をしているが、それでも全体的に落ち着いた上品な感じだ。

??『フフ・・・あ、私は三国英里耶(みくにえりか)。よろしくね?』
??『三国孝造(みくにこうぞう)だ。澄谷君、今日はよく来てくれた。まあ、お茶でも飲んでくつろいでくれ』

お茶が注がれ、和菓子が置かれる。
きっと高級な物だ。
母親へのお土産にすれば、喜ばれるだろう。

英里耶『ふーん、なかなかイイ男じゃない。私の事は、エリって呼んでくれて構わないわよ?』
孝造『・・・』
英里耶『冗談よ、孝造さん。沙織に怒られちゃうわね』
孝造『・・・で、その沙織は?』
英里耶『さっき内線で連絡したわ。もうすぐ来るんじゃない?』

ちょうどその時、ドアをノックする音が聞こえた。
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