妹たち(澄谷)

二神『車内の温度はいかがでしょうか?』
澄谷『大丈夫です』

数分後、オレは黒塗りの高級車の後部座席に座っていた。
目の前のドリンクホルダーには、空になったコーヒーの空き缶が挟んである。
三国グループといえば、高校生のオレでも知ってる一大企業グループだ。
不動産や銀行、身近な所では宅配ピザ屋やコーヒーショップ、牛丼屋等も経営している。

二神『コーヒーでよろしかったでしょうか?』
澄谷『はい』

車内に小型の冷蔵庫があり、そこから冷えた缶コーヒーを出してきた。
缶には『MIKUNI COFFEE』のロゴが入っている。
緊張で喉が渇いていたので、一気に飲み干した。
甘さ控えめらしく、口に合った。

二神『よろしければ、そちらの冷蔵庫から御自由にお取り下さい。烏龍茶やミネラルウォーター、スポーツドリンク等も取り揃えております』
澄谷『大丈夫です。ご馳走様でした』
二神『お粗末様でした』

飲み干した後、次の信号待ちでの会話。
そして信号が青になり、車は静かに発進した。
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