ある夏の記憶(澄谷)
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Wataru Kurihashi
公園で会いましょう
少しばかし、自分の見通しが甘かったと思った。
夕方の公園はカップルで一杯だった。
ベンチだけでなく、海に面した柵の辺りまでカップルで埋まっていた。
本当はゆっくりしたかったのだが、仕方がない。
少し歩いて、一通り見たら適当に夕飯を食べて帰ろう。
そう思い、ライトアップされた観光船を横目に歩き始めた。
カップルの他に、犬を連れて散歩している人も多い。
しばらく歩くと、一つだけ誰も座っていないベンチがあった。
聖先輩の言う通り、少し自分を見つめ直そう。
そう思い、ベンチに腰掛けた。
澄谷『・・・』
しばらく海を眺めてると、天井の低い船がやってきた。
乗った事は無いが、あれが水上バスだろう。
数分後、アナウンスが流れ人が吐き出されていく。
??『あの・・・』
声を掛けられた。
振り返ってみると、白いワンピース姿の女の子が遠慮がちにオレを見ていた。
??『ここ・・・座っても大丈夫ですか?』
澄谷『・・・どうぞ』
少し左端に寄る。
女の子はベンチの右端に腰掛けた。
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