野球の島(夢小説)
結局、真理が入ったのは空手部。
小学校の頃、少しだけ通っていたらしい。
ユリ『上手く説得できたら黙っててあげるよ』
透『む、無理です無理です!』
ユリ『透君なら大丈夫!私が保証するよ』
オレと真理は、数ヶ月前から付き合い始めた。
・・・と、自分では思っている。
明確な返事は貰えなかったのだが、次の日から放課後一緒に帰ったり買物に付き合わされたりするようになった。
そして、ショッピングモールで一緒にいる所をキャプテンに目撃された。
ユリ『冗談だって。元気でやってる?』
透『まあ・・・ぼちぼちです』
自分の苦手な人間をそういう対象として見てる事を知ったら、あまり良い気分はしないだろう。
そして、真理は空手部。
帰宅部以外なら何処でも良かったらしいのだが、元々運動神経が良い事も手伝ってすぐに上達した。
ユリ『真理ちゃんスタイル良いよね~。足もキレイだし』
オレには凶器にしか見えない。
真面目で明るく人気もあるのだが、二人きりになると豹変する。
テスト前に勉強を教えてもらったのだが、間違える度に手や足が飛んできた。
オレの事を、サンドバックか何かと思ってるんじゃないだろうか。
ユリ『で、何処まで行ったの?』
透『え・・・?』
ユリ『だーかーら、二人はどこまで進んだか聞いてるの。真理ちゃん、それだけは絶対教えてくれないもん』
それはそうだろう。
オレだって教えたくない。
ユリ『私の秘密教えてあげたのになー・・・』
透『・・・』
7 / 10
ユリ『手も繋いだ事ないの?私じゃあるまいし・・・』
透『すみません・・・』
キスどころか手を繋いだ事も無い。
たまにオレの部屋に遊びに来るが、部屋にある漫画を適当に読んだりゲームで対戦したりする位だ。
制服姿で寝転んでると、つい目が行ってしまうが『見たら金取るから』等と理不尽な事を言われた。
ユリ『よーし、可愛い後輩の為にお姉さんが一肌脱いじゃうぞ』
透『い、いや・・・大丈夫ですって』
ユリ『心配いらないって。私が真理ちゃんに《どっかの誰かさんが冷たいせいで、私の可愛い後輩が先生にムラムラしてもう大変》って言えば万事解決だよッ★』
万事解決どころか、万事休すだ。
オレはどんな技の餌食になってしまうのだろうか。
ユリ『まあ良いけどさー・・・。そういう事に興味ないの、透君は?』
透『そ、そういう事って・・・?』
ユリ『分かってるクセに。一緒にいて変な気持ちになった事、無い?』
透『・・・』
無かった訳ではない。
特に、今の時期は。
ユリ『私はあるよ。真理ちゃん、結構色っぽいもんね』
透『えっ・・・!?』
それって・・・まさか。
ユリ『なーんてね。冗談だよ、冗談。びっくりした?』
透『・・・』
驚きのあまり、言葉を失ってしまった。
ユリ『びっくりしたら、治まったでしょ?』
・・・確かに。
8 / 10
ユリ『じゃあそろそろ行こっか。ビーチバレー混ざろ?』
透『あ、はい・・・』
オレとキャプテンは立ち上がり、海へと歩いて行った。
部員達がビーチボールを打ち上げたり、叩いたりしている。
ユリ『あ、さっきの事も全部冗談だからね』
男性云々の話の事だろう。
ユリ『でも、他の人には言わないでね。真理ちゃんにも』
透『分かりました』
ユリ『もし言ったら、真理ちゃんにきっついお仕置きしてもらうからね?』
透『肝に命じておきます・・・』
オレ達の目の前には綺麗な海が拡がっていた。
できれば来年も、それ以降も毎年来たいものだ。
ユリ『それと透君、無理矢理は絶対ダメだからね』
透『え・・・?』
ユリ『真理ちゃん。頑張ってね』
透『・・・』
キャプテンが悪戯っぽい笑みを浮かべている。
オレは海へと急いだ。
9 / 10
【矢島透】
恋恋高校の野球部員で、学年はユリより一つ下。
恋恋高校に入ったのは、先に入学した真理に冗談半分で誘われたから。
【三国由利】
三国由利(みくにゆり)。
恋恋高校の野球部員で、選手としては唯一の女子部員。
人格、実力共に申し分なく満場一致でキャプテンに選ばれた。
少し前にアルバイトを始めたらしい。
【延岡宗太郎】
延岡宗太郎(のべおかそうたろう)。
恋恋高校の野球部員で、学年はユリより一つ下。
透とは同じ学年だが、クラスは違う。
あかつきや帝王といった名門からも誘いを受ける程の選手だったが、早川あおいのファンなので恋恋高校に入学する。
自分の欲望に正直な人間だが、野球に関しての実力は高い。
年上の従姉妹がおり、女子リーグに所属している。
【小林真理】
恋恋高校に通う女子生徒で、透の幼なじみ。
ユリと同じクラスで、透より学年は一つ上。
運動神経抜群でどんなスポーツでもこなし、勉強もできる優等生。
空手部に籍を置いているが、最近はサボる事も多い。
【菊川尚志】
菊川尚志(きくかわたかし)。
パワフルズに所属している外野手。
かつて首位打者を獲得した事もあるが、数年前の怪我以来出番が減少。
今年は6月上旬まで二軍だった。
結婚しており、戸籍上の苗字は『菊川』ではない。
【知り合い】
ユリだけでなく、監督の藤乃なつきとも面識がある。
彼女の母親は既に他界しているらしく、妹が一人いたが離婚した父親に引き取られた。
【ショッピングモール】
数年前にできた大型のショッピングモール。
各種店舗の他に、レストラン街やシネマコンプレックス、屋上にはこども広場等もあり休日は沢山の人で賑わう。
ユリがマネージャー達と水着を買いに行ったのも、このモール。
【今の時期】
ええ・・・たまらないですね、今の時期は。
何といっても薄着ですからね。
男子なんかずーっと凝視してますよ、授業そっちのけで。
もっとも私の場合、着替えも一緒なんですけど・・・。
でも、確かにうっすらと透けて見えるのって逆に興奮しますよね。
・・・私ですか?
もちろん下にシャツ着てますよ、どんなに暑くても。
そういえば、前にネットでそういう店を調べてたら一つ良さそうな所を見つけたんですよ。
女の店員さんが上玉揃い、しかも制服の生地が異様に薄いらしくて。
私の実家の方だったので、前に帰省した時に妹と行ってみたんですけど、残念ながら男の店員さんが一人と店長さんしかいなくて。
そこで食べたハンバーガーは凄く美味しかったんですけど、正直別の意味で消化不良気味でしたね。
(R高校野球部キャプテンY.Mさんの談話)
10 / 10
小学校の頃、少しだけ通っていたらしい。
ユリ『上手く説得できたら黙っててあげるよ』
透『む、無理です無理です!』
ユリ『透君なら大丈夫!私が保証するよ』
オレと真理は、数ヶ月前から付き合い始めた。
・・・と、自分では思っている。
明確な返事は貰えなかったのだが、次の日から放課後一緒に帰ったり買物に付き合わされたりするようになった。
そして、ショッピングモールで一緒にいる所をキャプテンに目撃された。
ユリ『冗談だって。元気でやってる?』
透『まあ・・・ぼちぼちです』
自分の苦手な人間をそういう対象として見てる事を知ったら、あまり良い気分はしないだろう。
そして、真理は空手部。
帰宅部以外なら何処でも良かったらしいのだが、元々運動神経が良い事も手伝ってすぐに上達した。
ユリ『真理ちゃんスタイル良いよね~。足もキレイだし』
オレには凶器にしか見えない。
真面目で明るく人気もあるのだが、二人きりになると豹変する。
テスト前に勉強を教えてもらったのだが、間違える度に手や足が飛んできた。
オレの事を、サンドバックか何かと思ってるんじゃないだろうか。
ユリ『で、何処まで行ったの?』
透『え・・・?』
ユリ『だーかーら、二人はどこまで進んだか聞いてるの。真理ちゃん、それだけは絶対教えてくれないもん』
それはそうだろう。
オレだって教えたくない。
ユリ『私の秘密教えてあげたのになー・・・』
透『・・・』
7 / 10
ユリ『手も繋いだ事ないの?私じゃあるまいし・・・』
透『すみません・・・』
キスどころか手を繋いだ事も無い。
たまにオレの部屋に遊びに来るが、部屋にある漫画を適当に読んだりゲームで対戦したりする位だ。
制服姿で寝転んでると、つい目が行ってしまうが『見たら金取るから』等と理不尽な事を言われた。
ユリ『よーし、可愛い後輩の為にお姉さんが一肌脱いじゃうぞ』
透『い、いや・・・大丈夫ですって』
ユリ『心配いらないって。私が真理ちゃんに《どっかの誰かさんが冷たいせいで、私の可愛い後輩が先生にムラムラしてもう大変》って言えば万事解決だよッ★』
万事解決どころか、万事休すだ。
オレはどんな技の餌食になってしまうのだろうか。
ユリ『まあ良いけどさー・・・。そういう事に興味ないの、透君は?』
透『そ、そういう事って・・・?』
ユリ『分かってるクセに。一緒にいて変な気持ちになった事、無い?』
透『・・・』
無かった訳ではない。
特に、今の時期は。
ユリ『私はあるよ。真理ちゃん、結構色っぽいもんね』
透『えっ・・・!?』
それって・・・まさか。
ユリ『なーんてね。冗談だよ、冗談。びっくりした?』
透『・・・』
驚きのあまり、言葉を失ってしまった。
ユリ『びっくりしたら、治まったでしょ?』
・・・確かに。
8 / 10
ユリ『じゃあそろそろ行こっか。ビーチバレー混ざろ?』
透『あ、はい・・・』
オレとキャプテンは立ち上がり、海へと歩いて行った。
部員達がビーチボールを打ち上げたり、叩いたりしている。
ユリ『あ、さっきの事も全部冗談だからね』
男性云々の話の事だろう。
ユリ『でも、他の人には言わないでね。真理ちゃんにも』
透『分かりました』
ユリ『もし言ったら、真理ちゃんにきっついお仕置きしてもらうからね?』
透『肝に命じておきます・・・』
オレ達の目の前には綺麗な海が拡がっていた。
できれば来年も、それ以降も毎年来たいものだ。
ユリ『それと透君、無理矢理は絶対ダメだからね』
透『え・・・?』
ユリ『真理ちゃん。頑張ってね』
透『・・・』
キャプテンが悪戯っぽい笑みを浮かべている。
オレは海へと急いだ。
9 / 10
【矢島透】
恋恋高校の野球部員で、学年はユリより一つ下。
恋恋高校に入ったのは、先に入学した真理に冗談半分で誘われたから。
【三国由利】
三国由利(みくにゆり)。
恋恋高校の野球部員で、選手としては唯一の女子部員。
人格、実力共に申し分なく満場一致でキャプテンに選ばれた。
少し前にアルバイトを始めたらしい。
【延岡宗太郎】
延岡宗太郎(のべおかそうたろう)。
恋恋高校の野球部員で、学年はユリより一つ下。
透とは同じ学年だが、クラスは違う。
あかつきや帝王といった名門からも誘いを受ける程の選手だったが、早川あおいのファンなので恋恋高校に入学する。
自分の欲望に正直な人間だが、野球に関しての実力は高い。
年上の従姉妹がおり、女子リーグに所属している。
【小林真理】
恋恋高校に通う女子生徒で、透の幼なじみ。
ユリと同じクラスで、透より学年は一つ上。
運動神経抜群でどんなスポーツでもこなし、勉強もできる優等生。
空手部に籍を置いているが、最近はサボる事も多い。
【菊川尚志】
菊川尚志(きくかわたかし)。
パワフルズに所属している外野手。
かつて首位打者を獲得した事もあるが、数年前の怪我以来出番が減少。
今年は6月上旬まで二軍だった。
結婚しており、戸籍上の苗字は『菊川』ではない。
【知り合い】
ユリだけでなく、監督の藤乃なつきとも面識がある。
彼女の母親は既に他界しているらしく、妹が一人いたが離婚した父親に引き取られた。
【ショッピングモール】
数年前にできた大型のショッピングモール。
各種店舗の他に、レストラン街やシネマコンプレックス、屋上にはこども広場等もあり休日は沢山の人で賑わう。
ユリがマネージャー達と水着を買いに行ったのも、このモール。
【今の時期】
ええ・・・たまらないですね、今の時期は。
何といっても薄着ですからね。
男子なんかずーっと凝視してますよ、授業そっちのけで。
もっとも私の場合、着替えも一緒なんですけど・・・。
でも、確かにうっすらと透けて見えるのって逆に興奮しますよね。
・・・私ですか?
もちろん下にシャツ着てますよ、どんなに暑くても。
そういえば、前にネットでそういう店を調べてたら一つ良さそうな所を見つけたんですよ。
女の店員さんが上玉揃い、しかも制服の生地が異様に薄いらしくて。
私の実家の方だったので、前に帰省した時に妹と行ってみたんですけど、残念ながら男の店員さんが一人と店長さんしかいなくて。
そこで食べたハンバーガーは凄く美味しかったんですけど、正直別の意味で消化不良気味でしたね。
(R高校野球部キャプテンY.Mさんの談話)
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