マサキとユリ(栗橋)

瀬名『よし、じゃあそろそろ・・・』
城咲『そうね・・・』

それから30分程して、お開きという流れになった。
微妙な空気が続いていたので、異を唱える者はいない。
携帯電話を見てみると、菊川さんからの着信がさらに2件増えていた。
そしてもう1件、別の人物からの着信も入っている。

澄谷『ワタル、またな』
栗橋『ああ』

一万円札がテーブルの上に置かれる。

瀬名『あ、オレも出すわ』
栗橋『オレも。これで足りるかな』
里美『え・・・でも』

そんなやり取りをしてる内にマサキは店から出ようとしている。
と、店の奥から声が聞こえた。

??『マサキさん・・・』

女子高生店員の三国由利さんだった。

みわ『あらら、ユリちゃん』
西条『ちょっと、大丈夫?』
ユリ『はい・・・何とか』

とても大丈夫には見えない。
先程よりも顔色は多少良くなっているが、汗の雫が額に浮かんでいる。
立っているのも困難なのか、壁に寄り掛かるような体勢だ。
恋恋高校のセーラー服を着ているが色々な所が乱れており、城咲さんが横で直している。

瀬名『無理するなって』
里美『そうだよ、ね?』
ユリ『いえ・・・それで、マサキさん』
澄谷『あ、ああ・・・』

マサキが足を止める。

ユリ『それに・・・皆さんも』
城咲『うん・・・』



ユリ『全て、話します。ですから、少し時間を下さい・・・』
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