もう一度逢うその日まで(澄谷)

沙織『凄い試合でしたね』
澄谷『ああ』

猪狩ドームを出た時点で、既に辺りは暗くなっていた。
今日の先発は、20代前半にして日本を代表するピッチャーの一人となった猪狩守選手。
さらには相手が万年Bクラスのパワフルズという事もあり、楽勝に思えた。

沙織『惜しかったですよね、パワフルズも』
澄谷『そうだな』

カイザースが4点を先制したのに対し、パワフルズは散発の3安打のみ。
このまま完封勝利になるかと思われた9回の表だった。

沙織『一気に同点って・・・こういう事もあるんですね』
澄谷『ああ』

先頭打者に四球を出したのを皮切りに、一気に3連打を浴びる。
山北弘(やまきたひろし)選手に2点タイムリーを打たれた所で、ピッチャー交代となった。
延長戦に突入し、同点のまま11回に突入した所でサヨナラホームランにより辛くもカイザースが勝利した・・・というのが今日の試合の概況だ。
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