もう一度逢うその日まで(澄谷)

澄谷『・・・』

少し前に、同じチームの鈴本大輔先輩と話した事を思い出していた。
仕草云々までは分からないが、何となく(他の選手とは)違うというのは感じられる。
しかし・・・

『何とかならないのか?』
『リーダーは?こっちも電話してるけど・・・』
『代わりのネタ・・・そうだな、今から編集部に行って脱いでこい』
『って切るな、オイ!冗談に決まってるだろ・・・このバカ女』

時折ベンチを指で弾きながら、電話の相手(おそらく女性)に悪態をついている今の菊川さんからは、そういった物は一切感じられない。
鈴本先輩が見たらなんて言うだろうか。

菊川『ゴメン。みっともない所見せちゃったね』
澄谷『いえ・・・』

とりあえず、自覚はあるようだった。
男女関係のもつれだろうか?
考えてみると、さっき会った時の受け答えから少しおかしかった。
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