もう一度逢うその日まで(澄谷)

そして・・・この時の一発芸大会が要因かは分からないが、オレ達聖タチバナ学園は甲子園への切符を手に入れた。

瀬名『このチームなら世界も獲れる!円もそう思うだろ?』
城咲『世界って・・・。まあ、でも今はそんな気分にもなるわね』
澄谷『そうだな・・・』

観客席からの鳴り止まない声援。
球場全体を包み込む特別な雰囲気が、オレ達の気分をこれ以上無いくらいに高揚させていた。

城咲『サオリンにも知らせないとね』
瀬名『行ってこい、マサキ』
澄谷『ああ』

沙織はというと、少し前から学校を欠席していた。
できればこの瞬間を一緒に迎えたかったが、仕方ない。
甲子園には一緒に行こう。
そう思い、携帯電話を取りにロッカーへ向かおうとしたその時だった。

マネ『・・・』

マネージャーが目の前に立っている。
そういえば、彼女も少し前からいなくなっていた。

澄谷『沙織に電話してくる』
マネ『・・・』
澄谷『どうした?』

様子がおかしい。
感情が消え失せ、能面のような表情だ。

城咲『ここにいたのね』
マネ『・・・』

どうして・・・そんな顔をしている?

城咲『ほら、皆集まって』
マネ『・・・聞いて』

やがて、彼女がゆっくりと口を開いた。



そして・・・オレの世界は、色を、失った。
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