もう一度逢うその日まで(澄谷)

拓哉『まあ、絆が深まったってのは事実だな』
澄谷『そうだな・・・』

その後、何人かが一芸を披露したところで会は御開きとなる。
身近な物を使って手品を披露した者、単に着ている服を全て脱ごうとして顰蹙を買った者もいた。

マネ『でも、やってみると意外と楽しい物だね』
城咲『そ、そうね・・・』

中でも衝撃的だったのは、マネージャーの《市販されている薬から 【省略】 を作るやり方の講座》だった。
それは下手な怪談よりもずっと恐ろしく、涙目で震えている者や話が終わるなり今までの非礼を土下座で詫びる者までいた。

拓哉『マサキの投げられっぷりも見事だったな』
城咲『そうね・・・今度教わろうかしら』
澄谷『・・・』

そしてオレはというとマネージャーの薬講座中、別の意味で肝を冷やしていた。
頭の上で何かを書く音がしておそるおそる上を見てみると、沙織が生徒手帳に何かを熱心にメモしている。

マネ『じゃあ受け身の練習しとかないとね』
瀬名『勘弁してくれ・・・つーかオレ確定?』

思わず硬直してしまったオレに、沙織が手帳のページを開いて見せてきた。
そこには・・・



《今度、水上バス乗ってみたいです》

と書かれていた。
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